食材にこだわったおにぎりとお弁当のお店「てとて」を訪ねてみた。

 

 

TOM
注文を受けてから握ってくれるおにぎり屋さんだって!一緒に行こうよ〜
SARA
いいわね!行きましょ!一番人気は「鮭」なんだって!店長さんの一押しなのね〜
TOM
え!?鮭!?それなら任せて!僕が捕って来てあげるよ!
SARA
・・・あなた絶対にその場で食べちゃうでしょ・・・

 

この記事は約5分で読めます。

 

瑞穂市にある「てとて」をご存じだろうか。
地域密着をコンセプトに、手づくりのおにぎりやお弁当を提供するお店だ。今回は、店長の坂本 玖音(さかもと くおん)さんにお話をうかがった。

 

今回のツムギポイント!
  1. 地域とつながる架け橋のような存在に
  2. みんなと一緒に作り上げるお店
  3. 新鮮・美味しさにこだわった食材
  4. 家族や友達のようなアットホーム感

 

①地域とつながる架け橋のような存在に

 

 

地域に密着したお店でありたいというコンセプトのもと、「ひと」と「まち」が「てとて」をつなぐ架け橋になるような場所をつくりたいという想いからオープン。

 

「てとて」という店名には、地域のみんなで手と手を取り合いながら、という意味合いが込められているという。

 

「おにぎりもひとつひとつ手で握っているので、ロゴも手とおにぎりをかけたようなイラストになっています。」

 

 

瑞穂市で生まれ育った坂本さん。文房具屋を営む祖父が、地域の人たちと関わる姿を小さい頃からずっと見ていたことで、自分も同じように地域に貢献したいと思うようになったという。

 

また、「こども110番の家」「地域見守り隊」として学校と連携を取りながら活動している。

 

「すぐ近くに小学校とか大きい公園があって、私自身も子どもがいるので、親とか学校の先生以外の大人と関われる場所があったらいいのにってすごく思うんですよね。てとて が、子どもたちだけでも安心して買い物に行ける場所として覚えていただけているのは本当にありがたいです。」

 

子どもたちが困った時に駆け込める場所、子どもたちを守る場所でありたいと話す。親として感じたニーズを、坂本さんご自身が叶えたいと考えているという。

 

学校がある日は、いつもだいたい同じ時間帯になると子どもたちが集まってくるそうだ。

 

「子どもたちの名前を覚えるようにしているので、いつも来てくれる子はだいたいわかります。自分自身が子どもの時も、自分のことを知ってくれている大人がいるのは嬉しかったし、何か困った時に助けを求められる存在というのは大きいので、私がその役割を担えたらと思ってやっています。」

 

自分自身の小さい頃の経験や、子育てをする母親としての想いをもとに、日々子どもたちと接しているという。

 

「うちの子どものこともみんな知ってくれてるので、私が子ども公園に探しに行ったりするとみんなが教えてくれたりします。私が授業参観に行くと『なんで店長おるの?』とか言われますね(笑)」

 

本当に友達みたいな関係だと話す坂本さん。願い通り、子どもたちから親しみやすく、頼られる存在になっているのだろう。

 

 

②みんなと一緒に作り上げるお店

 

 

それまで飲食業の経験などはなく、料理とは無縁のところからスタートした坂本さん。

 

おにぎり屋さんを選んだ理由をうかがってみた。

 

「地域の人たちが気軽に立ち寄ってくれて、心の拠り所になれるような場所は何かと考えた時に、昔、住んでいた大垣市では周りにおにぎり屋さんが結構ありました。この辺りは少ないですし、おにぎりは小さなお子さまから年配の方まで食べられていいなと思い、おにぎり屋さんにしました。」

 

需要がありそうなのに他に無かったことと、坂本さんがやりたい事を最も叶えられそうだった事が選んだ理由だと話してくれた。家にいるような安心感と居心地の良さを感じてもらいたい、地域の支えになりつつ地域の方々に育てていただけるお店でありたいと語ってくれた。

 

お母様と2人で考えたメニューのほか、お客様からのリクエストから追加したものもあるという。

 

「私自身、食べることが好きなので本当に私好みというか、私が美味しいと思うおにぎりを作っています。メニューも初めは少なかったんですけど、リクエストをいただいて作ってみたり、とてもありがたいことに本当にたくさんの常連さんに来ていただいて、地域のみなさんと一緒にお店を作っている感覚です。」

 

店内で販売されているお菓子も、こどもの日のイベントで販売した際に、親御さんからのリクエストで置き始めたものだという。

 

リクエストを叶えてくれるのは非常にありがたい。みんなで作り上げるというスタイルは、それだけでも心の拠り所になれているのかもしれない。

 

 

 

③新鮮・美味しさにこだわった食材

 

 

「てとて」では、地域ならではの農産物を知ってほしいという想いから、できるだけ地元の新鮮な野菜を使用するなど、食材にもこだわっているという。

 

「お米は、岐阜県産のハツシモをガス炊きしています。少し時間はかかっちゃうんですけど、美味しさを求めています。お客様からも好評です。」

 

ハツシモは大粒で艶があり、程よい甘さと噛み応えが特徴のお米だ。炊き立てはもちろん、冷めても美味しくいただけるという。

 

「海苔も国産にこだわっていて、薄すぎず、厚すぎず、香りがいいものを使っています。一番こだわっているのが鮭で、フレークを使うおにぎり屋さんも多いんですけど、うちは半身の鮭を50分かけて焼いて、手でほぐしたものを使っています。これはオープン当初から曲げずにこだわっているポイントです。」

 

かなりこだわりの詰まったおにぎりばかりだが、すべてリーズナブルな価格で販売されている。ここにも「地域とつながる」という坂本さんの想いが込められていた。

 

「やっぱりこのご時世なので少し値上がりはしたんですけど、コンビニで買うならここで買いたいと言ってくれたり、子どもたちがおやつとして買ってくれたり、ありがたいことに毎日来ていただくお客様も何人かいらっしゃるので、毎日来ても買える値段で、頑張れるところまで頑張りたいと思っています。」

 

「おにぎりは注文を受けてから握っています。お弁当もお漬物以外は基本全て手作りです。たまに近所の農家さんから野菜をいただいたりするので、それをお弁当のおかずにして出したりしています。いつも採れたての美味しい野菜をいただくので、本当にありがたいですね。」

 

2号店(キッチン店)との兼ね合いのため、現在は営業時間を11時~19時に変更しているそうなので、来店の際は事前に確認してみるといいかもしれない。
(※2024年8月取材時点)

 

 

④家族や友達のようなアットホーム感

 

 

アットホームな雰囲気で、家族のような暖かさ、親戚や友達のような親密さを大切にしている「てとて」。本店は、アパートの一室をリフォームしてお店にしたという。現在の悩みや課題についてうかがってみた。

 

「入れる人数にも作れる数にも限界があって、せっかくお客様に来ていただいたのに用意できないとか、大型の注文に対応できないのが課題ではありますね。そのあたりは、2号店(キッチン店)とも調整しながらうまくやっていこうと思っています。」

 

キッチンが狭いことが現状の悩みだと話してくれた。大会などの大型注文への対応、不定期でイベントやお祭りに出店しているほか、季節に合わせたメニューも登場するのだとか。

 

「昨年から子どもたち向けにかき氷を始めました。他にもゼリーだったり、揚げパンだったり、私の気まぐれと子どもたちのリクエストでいろいろ作ったりしています。」

 

子どもたちのリクエストを叶え、それがまた子どもたちに気に入ってもらえるのだという。

 

取材中もたくさんの子どもたちが訪れ、店内には楽しそうな会話と笑い声が響いていた。

 

今後の展望はどうなのだろうか?

 

「特に大きな夢みたいなのはなくて、これからも変わらず地域のみなさんとの繋がりを大切にしながら、のんびり続けられたらいいなと思っています。」

 

そう話してくれた坂本さん。今後もみんなと新しいことを取り入れながら、楽しく営業していってほしい。次はどんなリクエストを叶えるのか楽しみだ。

 

誰でもアットホームな雰囲気で迎えてくれる、おにぎりとお弁当のお店「てとて」。岐阜県の食材を使用し、こだわり抜いた自慢の味。気になる方はぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

てとて

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