カフェのような空間で、こだわりの詰まったうどんが楽しめる「com」を訪ねてみた。

 

 

TOM
「com」っていううどん屋さんが新しくできたみたいだよ!
SARA
とってもオシャレね!広い空間でゆったりと食事を楽しめるのは嬉しいわね
TOM
僕も「tom」っていうお店始めようかな!
SARA
・・・名前の親近感だけで何も考えてないクセに・・・

 

この記事は約6分で読めます。

 

本巣郡北方町にある「com(コム)」をご存じだろうか。
2024年5月にオープンしたばかりの、やさしいお出汁が特徴のうどん屋だ。今回は、オーナーの猫宮 沙紀(ねこみや さき)さんにお話をうかがった。

 

今回のツムギポイント!
  1. 気兼ねなく食事を楽しんでもらいたい
  2. こだわりが詰まった本格うどん
  3. 軸はブラさず、柔軟に

 

 

①気兼ねなく食事を楽しんでもらいたい

 

5月15日にオープンしたばかりのうどん屋「com(コム)」。広々とした店内には、うどん屋さんとは思えないようなスタイリッシュでオシャレな空間が広がっている。

 

ゆったりくつろげるソファー席や、ゆとりのあるテーブル席など、小さなお子様連れでも安心して美味しいうどんが楽しめるのが特徴だ。

 

 

はじめに、店名の由来や意味についてうかがってみた。

 

「最初はもう少し日本語っぽい名前を考えていたんですが、私は前職がWEBデザイナーで、夫もパソコン関係の仕事をしていることもあって、パソコンにちなんだ名前がいいんじゃないかという助言もあって『com(コム)』という名前にしました。『小麦粉』のコムとか、『company(カンパニー)』のコムとか、『混む=繁盛する』みたいな、いろんな意味が込められています。読みやすくて覚えやすい名前にしたかったので、気に入っています。」

 

アパレル関係の仕事で岐阜にきて、その後デザイン関係の仕事をしていた猫宮さん。飲食業界での経験はほぼないというが、うどん屋のオープンに至った経緯をうかがってみた。

 

「もともと自分で作ったり、香川まで食べに行ったり、とにかく昔からうどんが大好きだったんです。コロナ禍で自宅で仕事するようになったときに、もしデザイナーじゃなかったら、カフェみたいなうどん屋さんがしたいなって話してたんですけど、そんな何気ない会話がきっかけで、本格的に構想を練り始めて、気づいたらトントン拍子で話が進んで、夫の後押しもあって始めることができました。どちらかと言うと私よりも夫の方が乗り気でしたね(笑)。」

 

ご主人はお店に立つことはほとんどないが、経営面でサポートしてくれているそうで、まさに夫婦二人三脚での経営だ。

 

「カフェのようなうどん屋さん」がコンセプトだというが、どのような理由や経緯があるのだろうか?

 

「カフェみたいな落ち着いた雰囲気の中で、時間を気にせずゆっくり食事を楽しんでもらいたいという想いで作りました。私世代だと、友人も小さい子どもがいたりするので、子どもと一緒にご飯を食べに行こうと思っても、うるさくしちゃうからここは入れないとか、子どもが食べられるメニューがないからファミレスにしようとか、せっかく会えたのにゆっくり過ごせずに終わるということも少なくないんです。小さなお子さまと一緒でも、ゆっくりくつろぎながら食事を楽しんでいただきたいので、座敷ではなくソファー席にしたり、座り心地や高さにもすごくこだわりました。」

 

ゆっくり食事を楽しんでほしいという想いから、内装や配置にもかなりのこだわりがあるという。

 

「うどん屋さんってある程度型が決まっているというか、外観も内装も和風で昔ながらのイメージが強いと思うんです。そういう、よくある雰囲気にはしたくなかったので、結構わがままを言って、細かいところまで理想を叶えていただきました。私が店先で暖簾とか出してると、いまだに近所の方に「ここは何屋さんですか?」って聞かれます。一応暖簾に書いてあるんですけど、でもパッと見ではわからないお店にしたかったので、そこは狙い通りかもしれないですね。」

 

 

 

②こだわりが詰まった本格うどん

 

「com」で提供するうどんは、あっさりとしたお出汁と、もちもちの麺が特徴だ。お出汁の味が存分に楽しめるシンプルなかけうどんから、明太子やバターをトッピングした「明太かまバタうどん」、夏場にぴったりの「薬味たっぷり梅おろしうどん」、見た目も食感もふわふわな「月見出汁とろろうどん」など、工夫を凝らしたメニューが並んでいる。

 

これらのメニューはすべて猫宮さんのオリジナルレシピだ。完成までの道のりをうかがってみた。

 

「当時は会社員として働きながらだったので、夫にも味見をしてもらいながら、今のお店の味に近づけていって、構想から完成までに1年くらい費やしました。お出汁もすごく好きで、お店で使っているお出汁は京都の鰹節屋さんから仕入れています。上品なお出汁を使いたくて、いろいろサンプルを取り寄せて試したんですけど、このお出汁が一番理想に近かったんです。「豆乳クリーム明太うどん」も、たぶん他のお店よりあっさりしていると思います。お出汁を活かしたうどんを提供したいと思っているので、パスタみたいな、こってりした感じにはしたくなくて、あっさりめにしています。」

 

1年の半分以上うどんを食べるほど、とにかくうどん好きだという猫宮さん。今回「com」を立ち上げるにあたり、影響を受けたうどん屋さんがあるという。

 

「これまで本当にいろんなうどんを食べてきて、人生で一番美味しいうどんだと思ったところがあるんです、京都にある「イカヅチうどん」さん、ご夫婦二人でやられているお店なんですけど、本当にびっくりするくらい美味しいです。飲食店に並ぶって普段あまりしないんですけど、そこは全然並べますね。」

 

飲食業界での経験がほぼない状態でお店を始めることに不安はなかったのだろうか?

 

「不安しかなかったです。でも始めたらやるしかないので、私よりも夫や周りの人たちの方が大変だったと思います。夫の後押しがなければ、そもそも始めていなかったと思いますし、ご縁とタイミングと周りのサポートがなければ、ここまでこられなかったと思います。」

 

 

③柔軟な発想で挑戦を続ける

 

まだオープンして数ヶ月にもかかわらず、リピーターも多く、客足は好調だ。今後の展望や夢についてうかがってみた。

 

「本当に経験も浅いし、土地柄みたいなのもよくわかっていないので、まだまだ模索中です。店舗を増やしたいという気持ちもありますが、まずは、イベントやマルシェに出店して、もっと「com」の知名度を上げていきたいと思っています。私の大切にしている想いと合うような催し物に参加できればと思っています。」

 

お客様の多くは、お店のインスタグラムを見て来店される方がほとんどだという。

 

「インスタと言っても本当にまだ投稿数も少なくて、ほぼ動かしていないに等しい状態なんですけど、来てくださった方がメンションして投稿してくださったりするので、そういうのもあるのかなと思います。私はずっとキッチンにいてホールに出れないタイミングが多いので、お客様と話せるタイミングがあれば、お客様とのコミュニケーションは取りたいと思っていたので、何を見てきてくださったんですか?とか、聞くようにしています。なんでこれ頼んだんですか?とか、美味しかったですか?とか、なんでも聞いちゃいますね。」

 

実際にお客様とコミュニケーションを取る中でいただいた声を、お店の経営に反映することもあるそう。

 

「以前、かき揚げを注文したお客様から「お出汁につけたくない」と言われたことがあったんです。どういうことだろうと詳しく聞いてみると、天つゆか醤油が付いていたら良いなということだったので、今は一緒に出させていただいています。私は少し頑固な所があるのですが、お客様の要望は可能な範囲で取り入れていこうと思っています。もちろん自分が大切にしていることは軸としてちゃんと持っていますが、寄り添えるところは寄り添って行けるように、これからもっと勉強していこうと思います。」

 

今後自分の想いは大切に、美味しいうどんを提供し続けたいと話す猫宮さん。

 

「うちは、うどん屋ですが、カフェメニューがあるのも特徴なんです。もちろんメインはうどんですし自信を持って提供していますが、デザートもご用意していますので、みなさんに食べていただければ良いなと思っています。」

 

友達同士でも、お子様連れでも、ゆっくりと美味しいうどんを楽しんでもらいたいという想いで作られた「com(コム)」。

 

これまでにない新感覚の空間と本格的な味で、さらにファンを増やし続けていくことだろう。

 

 

 

com

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