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大垣市にあるGlow Caféをご存じだろうか。
友田工務店がプロデュースするこのカフェでは、新築や改築の相談だけでなく委託販売・貸店舗・開業の相談などさまざまな形で誰かの夢を応援している。今回は「Glow Cafe」の店長であり「友田工務店」の社長の奥様でもある友田 梨恵(ともだ りえ)さん、この事業の企画をした伊藤 隆志(いとう たかし)さん、にお話をうかがった。
今回のGlow Café様の取材はあいかワンまつり、主催の伊藤さんにご紹介いただきました。
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2024年11月10日に伊藤さんが企画運営しているイベント「関ケ原わんわんまつり」が開催されます。
興味のある方はぜひ下記のインスタグラムを確認してみてください!
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- 暖かい光でみんなを包み込むカフェ
- これから始めたいを応援する
- お客様の夢に誠実に向き合う
- 今は、あえて看板を出さない理由
- Glow Caféで幸せになれた人を増やしたい
①暖かい光でみんなを包み込むカフェ
Glow Caféは、お客様の『想いをカタチに』をコンセプトとして掲げる友田工務店が手掛けたカフェだ。
施設内には委託販売スペースやワークスペースを併設している。ワークスペースはプロ仕様の工具や機材が並びんでおり、「あったらいいな」を思う存分形にできる。そして委託販売スペースでは、自分の作品を実際に店内で販売できるのだ。
なぜ、Glow Caféという名前になったのだろうか?
「Glowという英単語には、光り輝くという意味があります。光にもさまざまなものがありますが、Glow Caféの光は、ろうそくのような、優しさを感じられる温もりのある光です。もともと、グローという言葉がいいなと社長が言っていて、僕もそれに共感しました。ちょうどお店が県道「96」号線沿いにあるのもいいですよね。」(伊藤さん)
96号線沿いのGlow Café。説明しやすいし、印象に残りやすい。
「ここは、いろいろな人が集まり、つながっていける場所にしたいというコンセプトで始まりました。きっかけは社長の「人が集まる場所が欲しい」という一言でしたが、それをきっかけに『カフェだと集まりやすいかな?来てくれる人たちを暖かい光で包み込めたらいいな』など、の話から、この施設名をGlow(グロー)にして、その一部にGlowCafeを作りました。こちらが照らすのではなく、みんなで一緒に輝いていくイメージす。」(伊藤さん)
カフェのコンセプトについても、ホームページでは「グローで輝きのあるライフスタイル」と紹介されている。
「ただ飲食をしたり、委託販売された品物を並べるのではなく、相談を受けたり、みんなで教えあったりして一緒に輝いていこうという形です。僕が相談を受ける事が多いのですが、みんなで話し合うことや相談者様やお客様をつないで解決に繋げる事もしています。」(伊藤さん)
光を表す単語は、Light、Shine、Flash、Sparkle、Twinkle、Glitterなどたくさんある。しかしどれもキラキラと眩しそうだ。Glowという優しい響きからは、まるで暖炉の火のようなあたたかみを感じられる。
②これから始めたいを応援する
なぜ、友田工務店がカフェを始めようと思ったのだろうか?
「もともと社長が人が集まる場所を作りたいと言っていたんです。その中で奥さんの梨恵さんの希望も叶えたいって。それでCaféも出来るようにしました。」(伊藤さん)
「もともと相談に来てくださったお客様に対して、食事を作って提供したいというアイディアがありました。そういう場を作りたいと思っていたのですが、伊藤さんの参画をきっかけに話が具体化していきました。伊藤さんにアドバイスをもらいながら実現したという感じです。」(梨恵さん)
この場所を選んだ理由についてもうかがってみた。
「このカフェは、もとは廃倉庫でした。そのままにしていたら朽ち果てていくだけです。96号線って、けっこう人通りが多いんですよね。そこにボロボロの倉庫があったら、街がかわいそうだなと感じたんです。周辺にはお店も多くありませんし、街の発展も考えたときに、ここに人の集まる場所が欲しいと思いました。」(伊藤さん)
また、友田工務店としてのメリットも、しっかり考えられている。
「工務店って、やっぱりお客様にとっては敷居が高いんですよね。なかなか一般のお客様には相談しづらいという状況があります。カフェだったら、雑談のついでにポロっと話がでてきたときに、こちらとしても声をかけやすくなりますよね。相談の敷居を低くしていきたいと考えています。」(伊藤さん)
確かに工務店に何かをお願いする場合は、金額が大きいこともあり、どうしても足を踏み入れるのに躊躇してしまう。カフェであれば、おいしい珈琲やランチの値段で気楽に相談できるというわけだ。
③お客様の夢に誠実に向き合う
カフェを経営したいという相談を受けることも多いのだろうか?
「これからカフェをやりたい、お店をやりたいという相談を受けることも多いですね。どうしてもカフェは、いきなり始めて失敗する人が多いんです。特にコロナで補助金が出たタイミングで、カフェを開いてみた人が多く、失敗して借金だけが残ってしまった……というのを、社長も私もたくさん見てきました。」(伊藤さん)
たしかに、2024年8月4日にも喫茶店(カフェ)の倒産が過去最多を更新したというニュースがあった。
「特に社長はお店を建てた後、「大丈夫かな?」って直接見に行くんですね。せっかく頑張っていたのにダメだった……。ということもあります。それならやる前に試してみて「いける」と思ったタイミングでお店を出す方が、失敗が少ないですよね。そういう場であったらいいな、という話を社長としていました。」(伊藤さん)
そこで、Glow Caféでは「何か新しいことをやってみたい」という人に対し、チャレンジできる場を提供することにしたのだ。
「Glow Caféには、レンタルスペースもあります。チャレンジの場を提供する社長の考え方は、素敵だと僕は思っています。」(伊藤さん)
本来、工務店の仕事としては、建物を売ればそれで終わる。お店の利益だけを考えるのであれば「この人は今、お店を成功させられるタイミングだろうか?」なんて考えず、どんどん受注して、どんどん売ればそれでいいはずでは?
「そうなんですよ。工務店などで、『この人のお店が失敗したら…』なんて考える社長は少ないと思います。そこからGlowの発想が生まれていますし、社長は優しいなと思いました。実際にお店の開業の相談も増えてきました。こちらからも現実的な話をしやすくなりました。カフェなど、お店をやりたいという気持ちも大事ですが、それだけでは経営はできないですからね。」(伊藤さん)
④今は、あえて看板を出さない理由
友田社長の人柄は、最初に友田工務店がこの倉庫を購入した経緯からも垣間見える。
「社長から、お客様にこの場所が売れなくて何とかならないかという相談を受けて、ちょうど倉庫がほしかったし購入したと聞きました。」(伊藤さん)
倉庫を改装したカフェは、看板がないためパッと見気づきづらい。なぜ看板を掲げないのだろうか?
「今、看板がないのには、2つの理由があります。ひとつめは、新店舗というだけでいきなりお客様がいっぱい来てしまうと、お客様が気楽に楽しめなくなります。もうひとつは、最初からカフェとわかるよりも「ここって何だろう?」となる方が、印象に残りやすいからです。あの場所、何のお店か知ってる?実はカフェなんだよって教えるの楽しそうじゃないですか?」
「お店が落ち着いてきたら、看板は出す予定です。貸店舗やスペースなど複数店舗が重なると、何の店か分らなくなり、お客様が迷うといけないので。」
誰でも一度は、街を歩いていて「何をやっているのかはわからないけど、なぜか気になる建物」を見つけた経験があるのではないだろうか。Glow Caféもまさにそんな感じだ。
看板がないGlow Caféだが、梨恵さんの料理が評判を呼び、リピーターが増えている。
「最近は、お客様も増えてきました。先日も満席で、ランチが12時半で完売してしまいました。」(伊藤さん)
「以前に比べて、お待たせすることが多くなってしまいましたね。」(梨恵さん)
梨恵さんは、どのように料理を学んだのだろうか?
「飲食店のアルバイトをしていました。ホールよりも厨房の方が好きでしたね。本業のストレス発散のため、夜に飲食店で働いていたこともあります。盛り付けとかも好きなので、それを見ていた主人が「カフェをやったら?」と提案してきました。料理は昔から好きで、夢中でできることです。」(梨恵さん)
「GlowCafeでは、新築やリフォーム、お店の開店や改装などの相談が気楽に無料で出来ます。また、内装などのインテリアや店舗の開店や運営の相談も気楽に出来ます。実体験をもとにお伝え出来る事もあると思います。競争ではなく、助け合える良い輪を広げていける場所になって欲しいと考えています。」(伊藤さん)
⑤Glow Caféで幸せになれた人を増やしたい
Glow Caféはオープンキッチンなので、調理の様子が見える。動画撮影はNGだが見学はOKとのことで、カフェなどで料理を出したい人には勉強になるだろう。
お子様連れの場合は、お子様の好みに合わせて味付けを変更するなど、柔軟な対応もお店の魅力だ。
「先日も小さいお子様連れの方が来られて、食べられるものを確認し「それならこんな風に作れるよ」と提案しました。またお客様の中には、病気の関係で塩分を制限されている方もいます。知人からGlow Caféを紹介されたそうです。「ここなら友達と外食に来れる。」と言っていただき嬉しかったです。」(梨恵さん)
お客様との縁、一期一会を大切にする、Glow Caféならではの接客だ。
最後に、今後の展望についてうかがってみた。
「これからも新しく何か事業をしたいというお客様と、いろいろコラボをしていきたいですね。」(梨恵さん)
「最近では、子どもたちと一緒に木でおもちゃを作ったり、一緒に遊んだりするコラボをお店の営業時間中にやりました。みんなで一緒に楽しめる、体験型のコラボもいいですね。つながりを大切にして、いろいろな人の想いでこのお店をどんどん進化させていきたいです。Glow Caféで夢がかなった、幸せになれたという人が、一人でも増えたらうれしいですね。」(伊藤さん)
Glow Caféは、既存のカフェの枠組みを超えた、新しいアイディアとつながりを生み出す創造の場だ。そしてその根底には、友田社長、梨恵さん、伊藤さんをはじめとしたスタッフの人柄の良さと熱い想いがある。
ちなみに「glow」には「光を放つ」以外にも「熱中する・情熱を持つ」という意味があるという。ますますこのカフェにピッタリな名前だと感じた。人と地域の可能性を引き出す「Glow Café」ぜひ一度訪れてみてはいかがだろうか。