食材にこだわった手作りグラノーラとお豆腐マフィンが楽しめる「喫茶ボヌール」を訪ねてみた。

TOM
こんなところにオシャレな喫茶店ができたんだね!
SARA
手作りのグラノーラとお豆腐マフィンがメインのお店なんだって!たくさん種類があるわね!
TOM
グラノーラとお豆腐マフィンでしょ〜クッキーサンドにグラノーラアイスそれから〜自家製ジュース…
SARA
・・・え!?・・・もしかして全部注文するの?・・・

 

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岐阜市にある「喫茶ボヌール」をご存じだろうか。
2024年3月20日にオープンしたばかりの、グラノーラとお豆腐マフィンが人気のオシャレな喫茶店だ。今回は、店主である大方 理紗(おおかた りさ)さんにお話をうかがった。

 

 

今回のツムギポイント!
  1. 夢を叶えた矢先の挫折
  2. 新たな世界での挑戦
  3. 「喫茶ボヌール」のはじまり
  4. 食材にこだわった自慢のメニュー
  5. 自身の経験を、誰かのために

 

①夢を叶えた矢先の挫折

 

現在27歳の大方さん。「喫茶ボヌール」をオープンする前は航空業界でグランドスタッフとして勤務していた。航空業界を離れたのには、ある理由があったという。

 

「大学卒業後、小さい頃からの夢だったグランドスタッフとして航空業界に就職しましたが、ちょうどコロナが流行し始めた年の入社だったこともあり、実はグランドスタッフとしての活動はほとんどしていないんです。ひと通りの訓練は受けたんですが、やはり飛行機が飛んでいないので乗客もいない、仕事がないという状態でした。」

 

新型コロナウイルスの流行により行動が制限されたことで、航空業界も欠航・減便が相次ぎ、大きな打撃を受けた。空港スタッフの異業種出向は記憶に新しいが、大方さんもその1人だった。

 

「入社したものの、肝心の飛行機はほとんど飛んでいなくて、空港内は本当に閑散としていました。そんな中、私もパン工場への出向が決まったんです。学生時代、夢を叶えるために楽しみも全部捨てて勉強して、就職活動も本当に頑張って、すごく努力して念願のグランドスタッフになれたのに、なんで私はパン工場で働いているんだろうと。状況はみんな同じ、仕方ないことだと理解はしていても、先の見えない状況に精神的に参ってしまって、やむを得ず退職を決めました。」

 

誰も経験したことのない脅威にさらされ、世界中が混乱に陥っていた当時。行動制限による仕事激減も異業種への出向も理解はできるものの、先が見えない状況に悶々とした日々を過ごしていたそう。前に進むため、大方さんは新たな一歩を踏み出した。

 

 

 

 

②新たな世界での挑戦

 

たくさんの業界・業種がある中で、飲食業界を選んだ理由を聞いてみた。

 

「小さい頃からグランドスタッフになるために生きてきたようなものなので、航空業界を辞めた後は本当に目標とか何もなくなってしまって。大袈裟かもしれないですけど、生きている意味あるのかな、自分の存在意義あるのかな、と思っていました。そんな私の姿を見て、周りの人たちがすごく励ましてくれたんです。」

 

「それでいつか私も誰かを励ましたり、元気を与えられる存在になりたいと思うようになりました。自分ができることは何だろうと考えた時に、昔から料理を作ることも食べることも好きだったので、「食」を通して励ませたらいいなと思い、飲食業界にしました。」

 

とはいえ、小さい頃からの夢であったグランドスタッフ。コロナ禍が落ち着いたタイミングでまた航空業界に戻るという選択肢はなかったのだろうか。

 

「たぶん私は、昔から見栄っ張りだったんだと思います。みんなが聞いて「わあ!すごい!」って思う職業に憧れてたんだろうなと思います。いい大学に行って、いい会社に勤めることがステータスというか、それが成功だと思っていたんです。」

 

「今までは、どちらかというと「自分」のために生きていたんですけど、「誰か」を幸せにしたいっていう気持ちを優先したら、人との関わり方も変わりましたし、何より気が楽になりました。見栄を張らなくていいというか、きっと私はこっちの方が向いているんだと思います。」

 

 

 

 

 

③「喫茶ボヌール」のはじまり

 

もともとはモデルハウスだったこの建物。当初は大方さんのお母様が借りる予定だったそう。

 

「喫茶店ができる物件を探していたわけではなく、ちょうど私も暇だし、どんなところなんだろうと興味本位で母について行ったんです。そしたら立地も良くて、日の入り具合とかもすごく綺麗で、「ここでやりたい!」と直感的に思いました。いろいろなタイミングや偶然が重なって、私がここで喫茶店を始めることになりました。」

 

店名の「ボヌール」の意味や、由来についてもうかがった。

 

「ボヌールはフランス語で「幸せ」という意味です。実は2年ほど前からシェアキッチンを借りて「ボヌールグラノーラ」という屋号でグラノーラを作っていたんです。今回喫茶店を始めるにあたり、そこから取って”喫茶ボヌール”にしました。」

 

「これまでは委託や受注で販売していたんですが、オンラインショップや委託販売だけでは限界があるんですね。やはり実店舗がないとなかなか難しいのかなって。やっと実店舗を構えられたので、新たにお豆腐マフィンの販売も始めました。」

 

スタートしやすい環境が整っていたとはいえ、最初の一歩を踏み出すのは勇気がいること。不安はなかったのだろうか。

 

「以前から、自分が作ったグラノーラをもっと広めたい、もっとファンを増やしたいと思っていたのと、目標を立てたら絶対に達成したい性格なので、不安はあったけど踏み出せました。これまでは特に趣味だったり夢中になれることもなく生きてきたんですが、本当に好きなことにやっと巡り合えたというか、すごく夢中になれるものを見つけられたので、勇気を持って踏み出すって大事だなと思いましたね。」

 

 

 

 

④食材にこだわった自慢のメニュー

 

2年ほど前からグラノーラを作り始めたそうだが、きっかけは何だったのだろうか。グラノーラとの出会いを聞いてみた。

 

「高校生の時にオートミールブームがあって、なんとなく流行りに乗って買ってみたのが最初の出会いです。でも食べ方がよくわからなくて、どうやって消費しようと思っていた時に、オートミールでグラノーラが作れるというのを知りました。試しに作ってみたらすごく美味しかったんです。そこから数年経って、食を通して誰か幸せにしたいと思った時に、ふと思いついたのがグラノーラでした。これならいろいろ種類が作れて、日持ちもするので、「これだ!」と思いましたね。」

 

お店に出しているグラノーラとマフィンは、すべて大方さんの手作り。使う食材にはかなりこだわりがあるそう。

 

「粒が大きくて香りのいいオーガニックオートミールを使用しています。オーガニックのメイプルシロップで甘さをつけたり、お豆腐マフィンも植物性ベースで全粒粉や粗糖を使ったりと、「からだにいいもの」にこだわって食材を選んでいます。決して低カロリーにこだわっているわけではなく、健康的に、体の中から美しくなっていただきたいと思っています。」

 

「私自身、学生時代にかなりストイックなダイエットをして、危険な状態にまでなってしまった経験があります。そこからしっかり勉強して正しい知識をつけたり、ダイエット検定を受けてみたりして、少しずつ抜け出すことができました。結局、食事制限とかをして痩せこけても意味がないんですよね。力も出ないし、やる気も出ないし、気力も湧かない、健康じゃないと好きなことも、やりたいこともできないって気づいたんです。」

 

大方さん自身の経験から、健康的に、美味しく、内側からキレイになってほしいという思いが込められているのだ。

 

 

 

 

⑤自身の経験を、誰かのために

 

お店のロゴは、お知り合いが描いてくれたそう。ロゴに込められた思いや、今後の目標、夢を聞いてみた。

 

「ロゴに描かれているワンちゃんは私の愛犬です。どうやって「幸せ」を表現しようか考えた時に、食べ物だけよりも、表情があった方がイメージしやすいと思って入れてもらいました。オープンしたばかりなので、メニューを増やしたいとか、店舗を増やしたいというよりも、まずは今提供しているグラノーラやお豆腐マフィンを極めたいです。お豆腐マフィンは日本ならではの食材を使っているので、いつか海外の方にも食べてもらいたいですね。」

 

最後に、大方さんの好きな言葉をうかがった。

 

「私は「チャレンジ」という言葉がすごく好きなんです。自分自身が何かにチャレンジすることはもちろん、頑張っている人を見ると応援したくなります。成功するしないは関係なくて、何かに挑戦する気持ちとか、一歩踏み出す勇気とか、本当に素敵だなって思います。私自身、航空業界を離れることは大きな決断でしたが、一歩踏み出したら本当に世界が変わったので、チャレンジしてよかったと思っています。」

 

とても物腰が柔らかく、ふわっとした雰囲気の大方さんだが、内に秘めた想いはとても熱い。これからも、喫茶ボヌールを訪ずれる多くの方を元気づけ、幸せにしてくれることだろう。

 

 

喫茶ボヌール

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