「誠実」と「正直」をモットーに岐阜のお客様に還元する「カフェ ドゥ リレーヌ」を訪ねてみた。

 

 

TOM
サラ、「キッシュ」って知ってる?僕最近ハマってるんだよ〜!
SARA
うん、サクサクしてて美味しいよね!
TOM
え?スマホでピッて支払えるやつだよ?
SARA
・・・それはキャッシュレスでしょ・・・

 

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岐阜市にある「カフェ ドゥ リレーヌ(Cafe du Rirraine)」をご存知だろうか。
ふわとろ食感のキッシュと本場フランスの味を再現したスイーツを堪能できる、連日人気のお店だ。今回は店主の旦那様にお話をうかがった。

 

今回のツムギポイント!
  1. 夫婦のこだわりの空間『カフェドゥリレーヌ』誕生
  2. 「他で食べたことない味」唯一無二のふわとろ食感のキッシュ
  3. 「お客様に提供するものだから妥協したくない」独学で極めるカヌレ作り
  4. 数珠つなぎで広がるカフェドゥリレーヌの魅力
  5. こだわりのキッシュとスイーツを味わう

 

 

①夫婦のこだわりの空間『カフェドゥリレーヌ』誕生

 

 

『カフェ ドゥ リレーヌ』は2023年11月にオープンした。お店のオーナーである奥様とご夫婦二人で営む、キッシュとスイーツのお店だ。奥様がキッシュをメインとした食事作りと接客を担当し、旦那様はカヌレなどのスイーツ作りや裏方を担当している。

 

キッシュは、フランスのロレーヌ地方で発祥した食べ物で、『キッシュ・ロレーヌ』という正式名称がある。店名は、発祥の地『ロレーヌ』と奥様の名前の頭文字である『り』をとって、『リレーヌ』と名付けた。

 

もともと旦那様の出身地、三重県で別の飲食店を営んでいたが、奥様の実家がある岐阜で新しく店舗を構えることを決めた。カフェ ドゥ リレーヌは、夫婦二人で自分たちのやりたい色を出しながら、こじんまりと営むことをコンセプトとしている。

 

 

 

特に宣伝広告を行わなかったにも関わらず、オープン当初から大人気となった。その一方で、オープンまでにはいろいろな苦労があった。

 

「2020年3月に岐阜に移ってきたタイミングで、コロナが流行したんです。当然コロナ禍ではオープンできず、その後3年に渡り出店のタイミングを図っていました。その間、私は岐阜で車関係の仕事をしながら物件探しをサポートしていました。ようやくコロナが落ち着いたので、土地を購入して物件を決めました。」

 

お店の建物はもともと倉庫で、内壁も張ってない状態であったため、内装から全て作り変えた。苦労の甲斐もあり、今ではお客様から『大人の空間を楽しめるお店』として好評だ。さらに、オープン当初旦那様は、車関係の仕事と兼業しながらのスタートだったという。

 

「車の仕事は未経験から始めたのですが、認めていただき上の役に抜擢してもらいました。そのため、すぐには辞められませんでした。オープンして2ヶ月間は、20時に会社から帰宅してそこから夜中の2時まで仕込みをする。翌朝にはまた会社に出勤するという生活でした。」

 

オープン当初から人気が出たため、兼業は継続できないと感じた旦那様。会社を退職してカフェ ドゥ リレーヌに専業した。コロナという大きな壁にぶつかりながらも、夫婦が理想とする形のお店を実現したのだった。

 

 

 

 

②「他で食べたことない味」唯一無二のふわとろ食感のキッシュ

 

 

 

カフェ ドゥ リレーヌのキッシュは、ふわふわとろとろで滑らかな食感を味わえる。これが他のお店では再現できない強みだ。

 

キッシュは、フランスのロレーヌ地方の郷土料理で家庭の味として親しまれている。なぜ、キッシュをお店のメインにしたのだろうか?

 

「妻はもともとフランスという国や料理が好きで、そんな妻が作るフレンチの中でもキッシュが特に美味しいんです。前から妻には『他で食べたことのない味だから、キッシュだけで絶対に売れる』という話をしていました。それでカフェ ドゥ リレーヌ出店に伴い、キッシュをメインにしたんです。」

 

キッシュは中の具材でバリエーションを増やせる。お店では季節に合わせて変えながら、常時6種類のキッシュを用意している。

 

こだわりは『生地』と『アパレイユ』である。生地は、粉とバターを混ぜる順番、混ぜるときの温度、保存状況、寝かせるなどいろいろな工程にこだわっている。

 

アパレイユは卵でできた液状のもので、具材と混ぜ合わせて生地に流し込む。キッシュ作りにおいて、アパレイユがメインで重要だと旦那様は言う。

 

「一般的なキッシュは、卵の感じよりも具材がたくさん入っていることが重視されがちです。しかし私が思う美味しいキッシュは、アパレイユと生地と具材のバランスが大事だと考えています。バランスが良ければ、具材は何を入れても美味しくなるというのが私の考えです。」

 

そしてたどり着いたのが『プルプル』するアパレイユである。『ふわふわ』や『とろとろ』と評するお客様もいる。普通の生地では、染み込んであふれてしまうぐらい柔らかく作るのがポイント。これが他のお店では味わうことができない、唯一無二のふわとろ食感を楽しませてくれるわけだ。
筆者も、旦那様のご厚意でキッシュをいただいた。大袈裟だと思われるかもしれないが、これが本当にぷるぷるなのだ。

 

旦那様が太鼓判を押して始めたキッシュ作り。夫婦で築き上げたこだわりの味と食感を一度ご賞味あれ。

 

 

③「お客様に提供するものだから妥協したくない」独学で極めるカヌレ作り

 

旦那様は、自身を職人気質で何事も突きつめ妥協をしない性格だという。コロナの流行で車関係の仕事に就いたときも、最終的に組織のトップポジションに抜擢された。だが、役職に執着することなく会社を退職した。

 

持ち前の突きつめる性格により、個人では圧倒的なパフォーマンスを出してきた。その一方で、誰かが敷いたレールをそのまま進むことが苦手だという。そういう意味で、旦那様は組織よりも、自分で道を見つけて走ることを好む。

 

カフェ ドゥ リレーヌでは、スイーツ作りを担当している。パティシエ経験がなかったため、独学でスイーツ作りを学んだ。ここでも、旦那様の職人気質で妥協をしない性格が発揮されている。

 

 

「カヌレは今まで作ったことがなかったんです。だから、何百回、何千回と試作を重ねました。器材にもこだわり、本場と同じ銅型を使って焼いています。焦げ付いたり、周りにくっついたり、爆発したりとトラブルはありますが、全ては本場の味にたどり着くためです。」

 

奥様からすると、そこまでやらなくてもよいのでは?という思いもあるだろう。しかし、旦那様は妥協しない。お客様に提供するものだから、絶対に妥協したくないのだ。

 

ブレない意志を持つ旦那様だが、お客様視点で見ると、口に入れるものだから、すごくありがたい姿勢だ。カフェ ドゥ リレーヌが連日人気である理由が理解できるエピソードである。

 

 

 

④数珠つなぎで広がるカフェドゥリレーヌの魅力

 

カフェ ドゥ リレーヌは、宣伝広告をかけずにお客様を増やしている。30〜40代の女性客が中心で、知人を連れてリピートされることが多い。お客様によっては、娘さんを連れてきたり、その娘さんがさらに友達を連れてくる流れもある。まさに数珠つなぎで広がっているのである。

 

ランチはワンプレートで提供される。一見ありがちなカフェ飯をイメージしがちだが、ランチにもご夫婦のこだわりが隠されている。パンもドレッシングも、提供される料理は全て手作りというこだわりようだ。

 

実際に食べられたお客様から『違いがわかる』と驚きの声があがる。カフェではあるが、食事のクオリティはレストランに近いものを提供しているという自負がある。

 

「当初はテイクアウトメインで行う予定でした。でもこれだけの空間を作っているし、お店の中にいたいお客様もいるだろうし、限定10食でランチを出してもいいかなと気持ちが変わりました。ランチが好評だったので、今は少し多く提供しています。」

 

また、食事の説明や接客が丁寧という口コミが多く、接客面でも高評価を受けている。今回の取材で、奥様の接客を目にしたが、特に声に愛嬌があり評価が高いのもうなずけた。

 

さらに、ご夫婦のお店へのこだわりとして、『空間を含めて飲食店である』という思いがある。食器好きの奥様の感性を活かして、絶妙なバランスでアンティーク感が表現されている。お店のカラーの薄紫もあいまって、カフェ ドゥ リレーヌという空間を演出している。

 

来店される9割は女性のお客様だという。その一方でキッシュが美味しくて、リピートされる男性のお客様もいらっしゃり、男性はテイクアウトされる方が多い。

 

美味しい、接客が良い、空間が好きがきっかけで始まる数珠つなぎ。ご夫婦の一貫性のあるこだわりが生んだ賜物である。

 

 

⑤こだわりのキッシュとスイーツを味わう

 

『誠実』と『正直』をモットーに、お客様に適正価格でいいものを提供し続けたい、と旦那様は意欲を見せる。カフェ ドゥ リレーヌのキッシュとスイーツが人気の秘訣は、ご夫婦のブレない信念と創意工夫にある。例えば、最近の物価高により原価が上昇しても、品質を落とさずに提供し続けている。これは妥協をしない姿勢が影響している。

 

お酒とキッシュの相性も良いため、ディナー営業を切望するお客様の声も多いという。吉田さんご夫婦もディナー営業に前向きではある。その一方で、ディナー分の仕込みの手間と時間のリソースを考えると、踏み切れないのが現状だ。

 

では、将来の2号店を見据えて、吉田さんご夫婦以外の方を雇って作ってもらうのはどうだろうか?

 

「それは大変なことです。私たちのこだわりが強いからこそ、他の人はついてこれないと思います。提供している料理は、秒単位の時間管理、細かい温度調整などを行っています。レシピを作って任せても、同じ想いを持った人でないとクオリティを維持するのは難しいと思います。」

 

背伸びをせず、自分たちが今できることに集中し突きつめる姿勢。カフェ ドゥ リレーヌの未来にますます期待が膨らむ。一方で、旦那様個人の展望も気になるところ。個人的には料理以外の別の業種にも挑戦したい思いがあるという。

 

どの仕事も突きつめることで面白くなるので奥が深い。だから、機会があれば何でも挑戦したい、と旦那様は言う。バイタリティ溢れる旦那様の挑戦を、奥様はどう考えているのか?

 

「妻は、好きにやったらいいんじゃない?というスタンスで見守ってくれます。」

 

ご夫婦の絆と信頼関係の深さがうかがえる。

 

『誠実』と『正直』をモットーにしたご夫婦が営むカフェ ドゥ リレーヌ。
キッシュもスイーツも接客も空間も全てにこだわっている。

吉田さんご夫婦のお客様への徹底したこだわりを堪能したい方は、一度訪れてみることを強くオススメする。

 

 

 

Cafe du Rirraine(カフェドゥリレーヌ)

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