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関市にある「いけど瓦や」をご存知だろうか?
長年の経験と実績を生かした施工を適正価格で施す瓦屋根、屋根全般工事専門店だ。お客様からの信頼も厚い瓦ひと筋32年の屋根のプロ、代表取締役・柴崎洋隆(しばさき ひろたか)さんに話をうかがった。
- かわらぶき技能士になったきっかけ
- 口コミの高さにつながった「正しい工事」
- 気軽に相談してもらえる存在になりたい
- 地域の取組みと未来を担う子どもたちへ
- やっぱり大切なのは「正しさ」
①かわらぶき技能士になったきっかけ
かわらぶき技能士1級、職長・安全衛生責任者教育、足場の組立等作業主任者など多くの資格を持つ柴崎さん。瓦との出会いは運命的なものだったのだろうか。
「いえ、偶然なんです。なかなか長く仕事が続かず職を転々としていた頃に、親方のもとで働いたのがきっかけです。それまでの仕事は室内が中心でしたから、外で働く楽しさにハマってしまったのでしょうね。国家資格のかわらぶき技能士は15年前に取得しました。」
「いけど瓦や」を創業されたのはいつ頃なのだろう。
「25年前の1999年です。これも偶然なんですよ。仕事を発注するからそろそろ独立したら?と声をかけてもらいました。開業から3、4年はなかなか仕事がない状態でしたが、不安よりも夢で満ちあふれていましたね。いろんなところに伺って、頭を下げて仕事をいただいてという感じでした。」
仕事をもらうために無我夢中で働き、下請けの下請けをしていた時期もあった。
②口コミの高さにつながった「正しい工事」
「いけど瓦や」のホームページを訪ねると、お客様と撮った写真とお客様からの感謝の言葉が印象的に目に飛び込んでくる。
「同業者のホームページはお客様の声がどれも同じような定型文になっていることが多いですが、弊社はお客様に書いていただいたものをそのまま掲載しているので嘘がありません。お顔写真を載せることも安心につながっているのではないでしょうか。」
お客様の写真を載せることを提案したのは、妻の麻希さん。なんと女性では県内初のかわらぶき技能士の資格を取得した方だ。
さらに、Instagramも麻希さんのアイデア。屋根の状態や施工の様子をライブ感のある画像でわかりやすく紹介することで、関心を持ってもらえるように工夫されている。
「住宅の工事と言えば、みなさんキッチンや水回りのリフォームに関心がいきがちですが、肝心な屋根がしっかりしていないと快適な暮らしは出来ません。雨漏りしてからでは遅いので、ふだんから意識してみてください。点検の頻度のおすすめは、新築の場合10年から15年後。不具合は早めに見つけた方が安く簡単に済みますから。」
この言葉にハッとしたひとも少なくないのでは?
雨漏りの修理が得意の「いけど瓦や」。一時しのぎではなく、徹底的に雨漏りの原因を追求して、根本から止める修理を施す。様々な施工例が見られるInstagramもまめにチェックしたい。
③地域の取組みと未来を担う子どもたちへ
『子ども食堂応援プロジェクト』への参加をはじめ、8月8日の屋根の日にひとり暮らしの高齢者の家の屋根を無料で修理するといった地域貢献も興味深い。
「コロナ禍以降再開ができていないのですが、活動を通して様々な事情の方たちがいらっしゃって、それぞれの環境で一生懸命に生活をされていると知ったんです。その中で、自分に何ができるかを考えて地域の子ども達に職場体験をしてもらいました。自分も子ども達もみんなが楽しめる活動でした。こんな仕事もあるんだっていろんなことに興味を持ってくれたらうれしいです。」
ただ、働く環境としては正直厳しい・・・
「昔は良くも悪くもかなり自由でした。ヘルメットなしでくわえ煙草で作業をされている方もいらっしゃいましたが、今はきちんとした規則があります。安全の為の規則だったりするので無視する事はできませんが。外仕事なので、体力もかなり使いますし、夏は暑さが尋常ではありません。なので、楽な職業ではないと思います。」
それでも、修理後に屋根の悩みを解消したお客様のほっとした表情は、苦労が吹き飛ぶほどのよろこびにつながる。このやりがいと技術を伝えるため、今後は「若いひとたちをしっかりと育てる環境作りもしていきたい」と話してくれた。
④気軽に相談してもらえる存在になりたい
「今後の目標は?」の質問に、派手に大々的なことをするのではなく「地域に貢献したい」と答えた柴崎さん。この業界では不正行為を働く企業もゼロではない。そういった企業からみなさんを守りたいという想いをお話しいただいた。
「この地域でも勧誘の電話や、訪問して不安をあおるような業者が出回っていて、弊社が施工して間もない時期に『瓦がずれている』と契約を持ちかけた業者がいたことも耳にしています。そういった被害をゼロにしたい。間違った工事を止めたい。地域のみなさんに気軽に相談してもらえる存在になりたいです。」
営業担当がいないのも柴崎さんの信条を反映している。
「突然訪問して強引に契約をさせる業者もありますが、自分はそのやり方はしたくないので、チラシやSNSを中心に宣伝や発信をしています。弊社が出来ることとして、365日24時間の電話対応。最近は時代の流れでメールやLINEでのお問い合わせも増えていますよ。」
雨漏りや屋根の不具合の多くは緊急を要するので、素早い対応はありがたい。「いけど瓦や」の信頼の厚さは、お客様と誠実に向き合い続けているからこそ。
⑤やっぱり大切なのは「正しさ」
新たな試みとしてドローンを使って屋根の診断をはじめた。
「9月からドローンを導入しました。3階建ての屋根もドローンですぐに見ることができます。瓦だけでなく、板金屋根や天井もお任せください。」
雨や風をしのぐなど重要な役割を担う屋根は、暮らしに欠かせない身近すぎる存在。しかし、雨漏りでもしない限り意識が向かない存在でもある、柴崎さんの話を聞いているうちに、屋根を意識すること=自分の暮らしや生き方を見つめ直すこと、丁寧に生きることにつながる気がした。
最後に、大切にされている想いや言葉をうかがってみた。
「正しさですね。地元密着で正しい工事をする。これしかないです。」
突然の訪問に「怪しい」と思ったら、すぐに「いけど瓦や」に相談してみてはいかがだろうか。見積り・診断は無料。より多くの人たちに、柴崎さんと職人さんの想いが届くことを願う。