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岐阜市にある「lirac_everywhere(リラ エブリウェア)」をご存じだろうか。2021年6月にオープンした韓国風のカフェだ。今回は、オーナーの一見(いちみ)さんにお話をうかがった。
- 誰かの思い出に残るような場所に
- どこを切り取っても映える空間
- 韓国文化や流行の先駆け的存在へ
- 季節やイベントに合わせた豊富なメニュー
- 今後の展望について
①誰かの思い出に残るような場所に
韓国の日常にあるようなカフェをイメージしているという「lirac_everywhere(リラ エブリウェア)」。
店名である「lirac(リラ)」は、「lilac(ライラック)」というお花の名前が由来だそう。はじめに、店名に込めた想いをたずねてみた。
「お店の名前は韓国とは関係なくて、私自身お花が好きで、花言葉やイメージで選びました。ライラックには「思い出」や「友情」という花言葉があるんですが、ここが誰かの思い出の場所、お気に入りの場所になれたらいいなと思ってこの名前をつけました。」
この「リラ」というのは、「lilac(ライラック)」のフランス語読みだそう。スペルを1文字だけ変えているのも、ちょっとしたこだわりだ。
②どこを切り取っても映える空間
続いて、こちらのカフェのコンセプトについてうかがってみた。
「韓国にあるカフェは世界観がすごく作りこまれていたり、提供するメニューも、店内のBGMも、本当にオーナーさんの趣味の世界という感じのお店が多いんです。そういう文化が好きなので、偶然見つけてふらっと立ち寄ってもらって、その人の日常に溶け込んだり、素敵な思い出になればいいなというのをコンセプトに作っています。」
店内を見回してみると、至るところに可愛らしい小物や雑貨が置かれている。これらは全て、一見さんが韓国やヴィンテージショップで仕入れたものだという。
「自分の好きなものに囲まれた空間、居心地のいい空間というのもコンセプトのひとつですね。自分の中にある、ずっと好きな純粋な気持ちみたいなものをいくつになっても忘れないようにしたいという想いも込められています。」
この場所は、もともと一見さんの祖母が飲食店をしていた場所をリノベーションしたそう。店内の壁や床にはモルタルが使用され、スタイリッシュでオシャレな空間が広がっている。
「壁と床を同じ建材にすることで統一感を出したり、経年変化で自然にヒビが入っていく感じとか、窓の位置とか、インテリアの配置とか、そういうのも考えながら作りました。」
③韓国文化や流行の先駆け的存在へ
お店で提供される料理やケーキは、調理師の資格を持つお母様の手作りだ。中でも人気の高いクロッフルだが、オープン当初は、日本ではまだあまり馴染みがなかったという。
「ここをオープンした当時、クロッフルが韓国でものすごく流行っていて、どうしてもメニューに入れたかったんです。今だと出しているお店も増えて、専門店もあるくらいメジャーになってきた印象はあるんですけど、出した当初はまだまだ認知度は低かったように思いますね。これからも、韓国で流行っているものを先駆けて取り入れていきたいです。」
もともと、K-POPをきっかけに韓国に興味を持ったという一見さん。今でも仕事の合間を縫って定期的に韓国を訪れるという。
「今はどちらかというとカルチャー面に惹かれていて、ヴィンテージショップとかを巡るのがメインですね。あとは事前にインスタで見て気になっていた場所に行くこともありますし、その地域にあるカフェにふらっと立ち寄ったりもします。」
一見さん自身はもちろん、周りにも韓国好きな方が多く、そこから新メニューなどのヒントを得ることも多いという。
④季節やイベントに合わせた豊富なメニュー
「lirac_everywhere」の特徴といえば、クロッフルやチーズケーキなどの定番メニューはもちろん、季節ごとに旬の食材を使用したり、イベントに合わせた期間限定メニューも豊富だ。
一見さんのこだわりが詰まったお皿やグラスに盛り付けられたメニューは、どれも思わず写真を撮りたくなるようなものばかりだ。
「みなさん、テーブルに運ぶとまず「可愛い!」と言ってくれるのがすごく嬉しいですね。インスタの投稿やリールでタグ付けしてくれたり、みなさん本当に上手に撮ってくれているので、それを見ていいねを押すのがいちばん楽しい時間です(笑)。最初はふらっと立ち寄っただけだけど、「あそこ良かったな」と思ってまた来てくれたり、ここで撮った写真がその人のお気に入りの1枚になってくれたら嬉しいです。」
公式インスタグラムに投稿されている写真は、すべて一見さんが撮影・加工・投稿している。その他にも、店内の内装や新メニューの開発なども手がけている。特に、お店の名前が付いた「リラコーヒー」には思い入れがあるそう。
「コーヒーとクリームのバランスにこだわって、試行錯誤して作ったメニューです。最初はあんまり出なかったんですけど、最近だとドリンクでいちばん出るくらい人気のメニューになりました。基本メニューだけだとそんなに多くないんですけど、季節の限定メニューが好評だったら定番にすることもありますね。新作が出るたびに足を運んでくださる方もいらっしゃいます。」
⑤今後の展望について
オープン前から話題を集め、たくさんの方に愛されながら、6月に3周年を迎えた「lirac_everywhere」。
カフェには、韓国が好きな方から、カフェ巡りが好きな方、中高生から大人まで、さまざまな方が訪れるそう。
「性別でいうと女性が多いですが、男性同士で来ていただいたり、常連さんの中にも男性1人でいらっしゃる方もいますね。オープン当初は正直こんなにたくさんの方に来ていただけると思っていなかったので、インスタもたくさんの方にフォローしていただいたり、タグ付けで写真を載せていただいたり、本当にありがたいです。」
最後に、今後の目標や夢をうかがってみた。
「昨年の9月から「madang(マダン)」という名前で、金曜と土曜限定で夜の時間帯の営業も始めました。お店の場所は同じですが、昼は「lirac_everywhere(リラ エブリウェア)」、夜は「madang(マダン)」と名前を変えて営業しているので、もっとたくさんの方に知っていただきたいですね。メニュー数はあまり多くはないんですが、クロッフルも昼とは少しテイストを変えていたり、店内の雰囲気も昼とはまた違った印象になるので、ぜひ一度足を運んでみてほしいです。」
インスタグラムの運用やメニュー開発を1人で手がけているため、なかなか手が回らない部分もあり、今後の課題だと話す一見さん。
「コーヒーメニューで何か新しいものが出せたらいいなとか、フルーツを使ったメニューを出したいなとか、それこそ「madang(マダン)」のPRとか、やりたいことや考えていることはたくさんあるので、そこに力を入れていきたいですね。」
韓国の流行をいち早く取り入れ、気軽に韓国を訪れたような気分を味わえる「lirac_everywhere(リラ エブリウェア)」。
季節やイベントに合わせた期間限定メニューのほか、定期的に内装や配置換えによりガラッと雰囲気が変わるそう。ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。