インスタ映えスイーツを提供する古風な喫茶店「珈琲館櫟」を訪ねてみた。

TOM
うわぁ〜、いい香り!
SARA
おいしそうなコーヒーの香りね。2杯ください!
TOM
ボク、コーヒーにはこだわりがあるんだよね〜やっぱり酸味とコクのバランスが….ざばぁー(ミルクとお砂糖をたっぷり入れる音)
SARA
・・・そんなにいれて本当に味がわかるのかしら・・・

 

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本巣市下福島にある「珈琲館櫟」をご存知だろうか。
自家製にこだわり抜いた、コーヒーやスイーツ、食事を提供するお店だ。今回は店主の宮部 龍太郎(みやべ りゅうたろう)さんにお話を伺った。

 

今回のツムギポイント!
  1. 店名の由来
  2. 自家製にこだわる喫茶店
  3. 人気で自慢のかき氷
  4. 今後の展望について
  5. 好きな言葉は?

 

 

①店名の由来

 

珈琲館櫟(くぬぎ)は開放的なガラス張りの喫茶店で、コーヒーカップのディスプレイは目を奪われるほどに美しいどこか懐かしさを感じる素敵な喫茶店だ。元々は店主の宮部さんのお父様の事業に併設する喫茶店であったところを引き継いで今の珈琲館櫟の形が出来上がったのだそうだ。

 

まずは素敵な珈琲館櫟になった由来について尋ねてみた。

 

「櫟っていう漢字を見たうちの父親が『”木”を”楽”しむと書いて櫟なんて素敵だな』と思い気に入ったみたいで、それで櫟っていう名前にしたそうです。」

 

と語る宮部さん。漢字の美しさに魅せられてお店の名前にされるとは、なんともクラシックな日本の喫茶店らしく素敵だと筆者は感じた。もともとは宮部さんのお父様が、現在の珈琲館櫟に隣接する建物で婦人服の製造販売を行っていたそうだ。その傍らで、ゆっくりとお茶ができる空間があるともっと良いのではないかというアイデアからスタートされた喫茶店だったという。

 

「婦人服の販売を行っていたので、お客様を増やせないかと考えて、『喫茶店があれば、もしかしたらお店にも遊びに来てくれる人も増えるんじゃないか』と考え始めました。父はもともと何か新しい事をやりたかったみたいで、婦人服の製造・販売店に併設の喫茶店を始めたみたいですね。当時はかなり斬新だったと思いますよ。僕は10年くらい前から喫茶店を手伝っていましたが、本格的に継いだのは8年ほど前になります。」

 

店名の由来と、現在の珈琲館櫟のあり方までの道のりを宮部さんはそのように語ってくれた。

 

 

 

 

②自家製にこだわる喫茶店

 

珈琲館櫟のおいしさの秘密は自家製への強いこだわりにあるのだろう。多くのお客様が来店される人気店にも関わらず、ランチやケーキなど完全自家製にこだわりお客様に提供されているそうだ。自家製にこだわる理由について宮部さんに伺った。

 

「うちは僕が入る前から手作りをモットーにやっていました。その想いを大切に引き継いでいきたいというのはあります。もちろん出来合いのものにすれば、時間もかかりませんし、そこそこの味の物を提供できますが、今まで自家製にこだわっていたので正直、出来合いを出すのなら櫟にくる必要がないんじゃないかと感じたんです。最近は特に、Instagramなどにお客さんが料理の写真をいろいろ載せてくれますよね。それを見て来てくれたお客さんが実は業務用の出来合いだったて知ったらガッカリするんじゃないかと思うんです。それに自分で作ったものを美味しいと言ってもらえるとやっぱり嬉しいんですよ。なので、自家製は手間ですがなるべく自分で作って出したいなって考えています。」

 

宮部さんのご家族が中心となり珈琲館櫟を運営されているのだそうだ。奥様も厨房に入り自家製メニューの仕込みをされているのだと話してくれた。

 

特に自慢なのがランチメニューとケーキだという。ランチメニューについては日替わりで、毎日Instagramで本日のメニューをお知らせしているのだそうだ。和風メニューも楽しむことができる珈琲館櫟で自家製ランチを堪能するひとときは素晴らしい時間になるに違いない。

 

 

 

 

③人気で自慢のかき氷

 

珈琲館櫟は、かき氷がおいしく映えるお店であると去年の夏にInstagramで話題になったお店だ。

 

夏にはかき氷を求めるお客様が数時間待ちの行列を作ってくれたのだと話してくれた。その自慢のかき氷についてお話を伺った。

 

「まずは、自分が食べておいしいと感じるものや、また、食べたいと思えるものを作って提供しています。岐阜はかき氷が有名なお店がとても多くて激戦区なんですよ。かき氷の有名店に勝てるとは思わないけど、負けないようにしようと思って試行錯誤しながら作っています。」

 

そう謙遜しながら語る宮部さん。

 

「インフルエンサーていうんでしょうか。色んなごはん屋さんに食べに行って、その人がInstagramに載せると、そこにお客さんがすごく集まるっていう方が去年うちに来ていただいて、かき氷を紹介していただいたんです。その方に載せてもらったらお店のフォロワーさんが一気に倍以上に増えて驚きましたね。実はその前までそこまでかき氷をプッシュしていたわけではありませんでしたが、本当に去年はお客さんがびっくりするぐらい来てくださったので、SNSの力ってすごいんだなと思い知らされましたね。」

 

櫟が注目されたのはただの偶然ではなく、食と流行に敏感なインフルエンサーの方に注目されるようなかき氷を提供していたことの証であろうと筆者は思う。その日のことを宮部さんは「来てもらったその日の夕方にInstagramに載せていただいて、その日の夜中じゅう、フォロワーさんがポンポンポンポン増えてってずっとスマホの通知が鳴ってましたね。」と話していた。

 

櫟のInstagramについては以前働いてくれていたスタッフの一言がきっかけで、コロナ禍にInstagramアカウントを作成したのだという。

 

「以前うちで働いていた子に『インスタやらないんですか?簡単だから始めましょう!』って言われて、それならちょっとやってみようかなって思って始めたんだけど、慣れないせいもあって月に1回か2、3ヶ月に1回ぐらい投稿するだけで、ほとんど使ってなかったんです。その後に営業自粛になった時に本当にどうにかしなきゃって思って。そこから本格的に運用するようになりました。今は、いろんな繋がりができるので面白いなぁと思って使っています。」

 

続いて自慢のかき氷へのこだわりも教えていただいた。見た目もかわいらしいく様々な味があり、台湾風のかき氷への注目も高まっている近年。珈琲館櫟では店主の宮部さんも驚くほどの人気があるそうだ。

 

「かき氷をきっかけにいろんなお客様にうちを知ってもらえたなと思います。自分でもまさかこんなに人気店になるとは思いもよらなくて、うちで出しているかき氷目当てに他県からお客さんが来てくださるんです。そういうのって本当にすごいなって思って。かき氷を始めて良かったと思ってます。」

 

珈琲館櫟ではかき氷作りは宮部さんが担当されているという。年中の提供ではないが、暑い夏の時期や特別なシーズンに販売される宮部さんのかき氷をぜひ珈琲館櫟で召し上がってみてはいかがだろうか。

 

 

 

 

 

④今後の展望について

 

人気商品を獲得し、自家製へのこだわりを大切に今日も営業されている珈琲館櫟。店主の宮部さんに今後の展望を尋ねてみると、とても謙虚な回答が返ってきた。

 

「多店舗展開とか、かき氷専門店を出したいかって言われたら多分自分がそこまで目が行き届かなくなるんじゃないかなって思ってます。それでもずっと変わらず同じものばっかり出し続けたくはないという思いはあります。常に試行錯誤しながら進化させていきたいとは思っています。だからこの先も、かき氷の追求は続けて行こうかなと考えています。」

 

あくまで自分の目の届く範囲で、メニューの一つひとつに真摯に向き合って常にアップデートを図っていく姿勢を宮部さんは見せてくれた。

 

最後に、珈琲館櫟の店主として活躍される宮部さんに座右の銘を尋ねてみたところ、素敵な言葉をいただいたので紹介したい。

 

「これが私の座右の銘だ!っていう風にはあんまり考えたことがないんだけど、仕事とかプライベートとか関係なく自分の中でふと頭に思い浮かぶのが”因果応報”かな。いい意味でも悪い意味でも、やったことは全て自分に返ってくるっていう考え方ですね。やったらやった分だけ返ってくるしやらなければやらなかった結果が返ってくる。常に自分の頭の中に置いて行動するようにしています。」

 

インタビュー中常々感じた宮部さんの謙虚さは素晴らしいものであったと感じる。現状に満足しすぎることなく、常に上を目指す宮部さんが店主を務める珈琲館櫟はきっとこの先もアップデートを試みてより人気を増していくことだろう。お客様のために手間ひまを惜しむことなく、より多くの人に美味しい!を届けるための研究を重ねていく珈琲館櫟にはこの先も明るい未来が待っていることだろうと感じた。

 

 

 

 

 

 

珈琲館 櫟

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