この記事は約5分で読めます。
各務原市にある「SMILE DE SMILE(スマイル デ スマイル)」をご存じだろうか。
2021年にオープンした、約30種類の自家焙煎の珈琲豆が購入できるほか、店内でのお食事も楽しめる珈琲店だ。今回は、オーナーの田中 玲子(たなか れいこ)さんにお話をうかがった。
- コロナ禍でも笑顔が溢れる場所に
- こだわりのコーヒー豆
- 充実のフードメニュー
- 何事もポジティブに
①コロナ禍でも笑顔が溢れる場所に
大きなガラス張りの窓に、鮮やかなイエローカラーが映える開放的な店内には、こだわりのインテリアが広がる。
コロナ禍真っただ中の2021年にオープンした、自家焙煎珈琲専門店「SMILE DE SMILE(スマイル デ スマイル)」。まずは店名の由来をうかがってみた。
「ちょうどコロナ禍で世界中が大変な時期で、さまざまな制限がある中でも、ここに来たお客様が少しでも笑顔になってくれたらいいなという思いを込めて、この名前にしました。」
この店名にはオープン当時の状況や思いが込められているのだと語ってくれた。とても素敵な店名だ。
この場所でお店を始めた経緯や思いをうかがってみた。
「昔から1度は自分でお店をやりたいと思っていたんです。ずっとここが空いていてすごく気になってたんです。異国的というか、裏路地みたいな雰囲気がすごく素敵だなって。」
感染防止対策や外出禁止など、さまざまな制限があるコロナ禍での開業に不安はなかったのだろうか?
「オープンを決めた時にコロナ禍でどん底だったので、ここから下がることはないだろうと思ったし、周りにも独立している友人がいたので、あまり不安はなかったですね。」
「同じ頃に、顔見知りのおばあさんと話している時に、お店をやりたいっていう話をしたら『やるなら今!今すぐお金を借りてでもやってみなさい』って言われたんです。私はお金が貯まってからやろうと思っていたんですが、たしかにおばあさんの言う通りだ、借りたお金は働いて返せばいいだけだって思ったら不安もなくなりました。」
おばあさんの言葉をきっかけにすぐに動き出し、オープンまでスムーズに進んだという。そのおばあさんの言葉がなければ、今もまだ開業していなかっただろうと話す田中さん。
遠くからでも目立つこの鮮やかな配色は、お店の雰囲気に合わせて塗り直したものだそう。
「商売を頑張ろうという感じではなく、自分が好きなことをしながら、お客様と楽しく話して、笑顔になって帰ってもらえたらいいなという思いでやっています。」
②こだわりのコーヒー豆
今でこそ珈琲店を営む田中さんだが、元々はコーヒーの酸味が苦手で、あまり飲まなかったそうだ。田中さんがコーヒーを好きになったきっかけは何だったのだろうか?
「研修でコーヒーのルーツや種類、焙煎方法から淹れ方まで幅広く勉強させてもらって、それがすごく楽しくて。それまでコーヒーの味に苦手意識があったんですが、自分で焙煎したら美味しいかもしれないと思ったんです。」
以前の勤務先での社員研修で気になり、挑戦したことで逆に好きになったのだと語ってくれた。何事も、苦手なことでも苦手だと決めつけないことが重要なのだ。
店内に入るとまず飛び込んでくるのが、スタイリッシュなデザインが目を引く自動焙煎機だ。壁際には、田中さんこだわりのコーヒー豆がきれいに並べられている。お客様自身がセレクトしたコーヒー豆をその場で焙煎してくれる、コーヒー好きにはたまらない空間だ。
「焙煎機も、元々は自分で焙煎するタイプのものを探していたんです。自動の焙煎機はやっぱり高価なので、見るだけ見てみようという感じで見学に行ったんですが、そこでいただいたスペシャルティコーヒーが本当に美味しくて。そこで取り扱っているコーヒー豆を仕入れられるということと、やっぱり私は人と喋ることが好きなので、ボタンひとつで焙煎してくれるこちらに決めました。」
販売しているコーヒー豆は約30種類ある。満足度が高く高品質の豆であるスペシャルティグレードのコーヒー豆を主体に取り揃えており、フェアトレードのコーヒー豆も取り扱っているのだと、コーヒーへのこだわりを話してくれた。
本格的なコーヒーを知りたいという方や、豆や焙煎度合いまでこだわりたいというコーヒー好きは、ぜひ一度足を運んでみてほしいほどだ。
③充実のフードメニュー
「SMILE DE SMILE」は、本格的で美味しいコーヒーはもちろん、実はコーヒー以外のドリンクメニューとフードメニューも充実している。
「最近は、健康や食事に気をつかうお客様が増えてきたような気がします。今年からフードメニューをすべてグルテンフリーに変更しました。自家製の米粉パンのほか、米粉パスタ、調味料にもこだわっています。」
基本はモーニングのみだが、月末の1週間はランチ営業も実施している。(※提供時間が変わるため、来店の際は注意が必要だ。)週替わりのスープモーニングとコーヒーを目当てに毎週訪れるお客様も多いのだとか。
人気者の看板猫(?)クロちゃんも忘れてはいけない。
「昨年の7月くらいからうちに来るようになった野良猫なんです。仕込みをしていたらフラッと現れて、最初は近所の飼い猫かなと思っていたんですが、今となってはずっとうちにいる不思議な猫ちゃんです。クロちゃんに会いたいと言っていらっしゃるお客様もたくさんいます。」
気まぐれでフラッと現れるそうなので、運がよければ会えるかもしれない。
2024年4月より、毎週水曜日は、午前と午後の2部制で少人数制のヨガ教室も開催している。バトントワリングの教室を営む娘さんが、ヨガのインストラクターもしているのだとか。女性がメインだが、ご夫婦で来られる男性も多いそう。
レンタルスペースの貸出や、業務用珈琲豆の販売も行っているので、気になる方はぜひホームページやインスタグラムをチェックしてみてほしい。
④何事もポジティブに
今年4年目を迎えた「SMILE DE SMILE」。今後の目標や夢をうかがってみた。
※インタビューは2024年7月
「自分の目が届く範囲で営業していきたいと考えています。なので、お店を増やしたり、大きくするというのは考えてないですね。私がもう少し年齢を重ねた時に、誰かやってくれる人がいたらこのお店は譲ろうと思っています、将来は、山口県の実家で保護猫活動をしながら小さなカフェをやりたいです。実家に使っていない土地があるので、そこに猫公園を作るのが夢です。公園だと猫ものびのびできるし、古い建物なので古民家的カフェみたいな感じで、ここでの経験を活かしてできればいいなと。」
そう笑顔で答えてくれた。非常に素敵な夢で感銘を受けた。ぜひ実現してほしいと思う。
現状の悩みや課題はあるのだろうか?
「基本的にプラス思考なので、あまり気分が落ちないんですよね。やっぱり悩みがあるとしんどいじゃないですか。ポジティブがいちばんだけど、無理にポジティブになろうとして疲れちゃうこともあるので、自然体でいいと思いますよ。悩む時は悩んで、一旦立ち止まって、また始めようみたいな。やりたいことがあるなら、絶対やってみた方がいいと思います。」
悩みはないと言い切る田中さん。これだけ前向きな方だと、話しているだけでこちらもポジティブになってくる。プラス思考は自身だけでなく、周りにも良い影響を与えるのだ。
笑い声が響く店内は、まさに田中さんの「ここに来たお客様が少しでも笑顔になってほしい」という思いが形になっていた。常にポジティブ思考の田中さんだからこそ、自然とそういった人たちを呼び寄せるのだろう。
コーヒーが好きな方はもちろん、食事や美容に気を遣っている方、おしゃべりが好きな方は、ぜひ一度「SMILE DE SMILE」に足を運んでみてはいかがだろうか。