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岐阜市明神町にある「sûdsns」をご存知だろうか。アウトドアや外出にぴったりのバッグやポーチを販売しているブランドだ。
今回はsûdsnsの鈴木 亮祐(すずき りょうすけ)さんにお話を伺った。
- 自分用の制作から始まって
- ショールーム店舗でお客様へ直接販売
- すべて鈴木さんや職人さんの手作業で作る
- マルシェはイベントにも積極的に出店
- 新商品の計画と今後の目標について
①自分用の制作から始まって
2016年に鈴木さんのオリジナルブランドとして誕生したsûdsnsは、サコッシュやバックなどを中心に販売しているブランドだ。初めは鈴木さんが、自分用に制作したアイテムをInstagramにアップするところからスタートしたのだそうだ。
「はじめは自分で使う物を作って、インスタに作品をあげていました。そこでフォロワーさんなどから欲しいと言ってもらうようになって、販売を始めました。それが、8年前くらいですね。細々やっているときは細かな意見やオーダーも受けていました。現在はオーダーではなく、出来上がったものを販売しています。」
趣味で自作のアイテムを作るほどの腕前をお持ちだった鈴木さんは、以前よりアパレルメーカーで服飾のお仕事をされていたのだそうだ。
「私は名古屋の服飾専門学校を出て、岐阜のアパレルメーカーで”パターンナー”という型紙を作る仕事をしました。その後に名古屋でデザイナーの仕事をやって、縫ったり型紙を作ったりはできるんです。けれど、洋服とカバンに関しての知識はまた別になるので、その辺は独学でやっています。」
ご家族と共に経営しているsûdsns。人気が急上昇中の注目ブランドのため、ご家族だけでは手が回らないほどの注文が入っているそうだ。
アウトドアに着想を得ているsûdsnsのアイテムたち。そのわけは鈴木さんの大のアウトドア好きにあるのだそうだ。
「僕自身もキャンプとか登山とかが好きなので、アウトドアを軸にしてやっています。僕は今でもほぼ毎週金華山に行ってます。散歩に行く感覚ですね。sûdsnsのアイテムは、アウトドアを楽しむ中で実際に感じた”あったらいいな”を形にしました。」
「アウトドアでも使えるし、普段使いでも、旅行に使っていただけるカバンや、ポーチ、財布とかを制作して販売しています。」
自身の体験をもとに作成された作品はきっと使い勝手が良いだろうと感じた。
②ショールーム店舗でお客様へ直接販売
sûdsnsはネットショップも展開しているが、今回取材に伺った岐阜市の工房はショールームのような役割も担っているのだそうだ。とても良い立地で駐車場完備の空間には、お車でお越しいただけるための工夫がされている。
「ここでは商品の展示と販売をしています。実際に見ていただける場所で、ここに来てもらえれば商品も買えますよみたいな感じです。岐阜の人ってだいたい車を持ってるかなと思ったので、駐車場があるとこがいいなと思ってこの場所を選びました。店内は2、3ヶ月かけて自分で内装をやって、天井塗ったりとか、床のビニールタイルみたいなの剥がしたりとかして作った空間です。こういう什器とかも全部自分で作りました。」
アウトドアが好きな方はきっと気に入るだろうと感じる店内もぜひ注目していただきたい。
③すべて鈴木さんの手作業で作るアイテム
sûdsnsのアイテムはすべて鈴木さんが中心となって作っている。一点一点を丁寧なハンドメイドで作る工房では、鈴木さんと職人さんの真心がこもった商品が誕生している。
アウトドア用品に興味のある方や、より便利なグッズを求めている方を中心に人気を集めるsûdsnsは国内のみならず海外からの注文も多いという。
今回の取材ではsûdsnsの商品を実際に手に取りながら、鈴木さんに独自のポイントをたくさん紹介していただけた。
「ポケットの部分がしっかりとあって、小銭が取りやすいようににちょっと浅くなっています。お札が2つ折りで入る場所もあります。あと鍵を吊るすための金具もついていて、キーケースの役割担っているんです。カードポケットもあります。ファスナーは”止水ジップ”っていって、水が入りにくい防水系のファスナーなんです。防水のファスナーを使用しているのでお札も濡れにくい。ポケットは中でそれぞれ独立しているので、ぐちゃぐちゃになることもありません。」
魅力たっぷりのsûdsnsの商品を紹介していただいた。
sûdsnsでは鈴木さんが素材を選りすぐっているのも人気のポイントだろう。良質なものを適切な価格で取引したいという素晴らしいお考えについて聞かせていただいた。
「企業に勤めていたときは安価なものを作ってたので、使いたい素材が使えないなど限られた中でやらないといけなくて、お客さんの要望を予算に収めないといけないとか。安いものがダメっていうわけじゃないですけど、結局安いものを作っていると、コスト削減のために誰かが泣いてるんですよ。誰か一人だけにとって良い商品っていうのは良くないと考えています。作る側も買う側にも良い商品を目指しています。フェアネスな取引をうちでは行いたいなと思っています。」
④マルシェやイベントにも積極的に出店
sûdsnsは工房店舗とオンラインショップ以外にも、マルシェへ積極的に出店されている。
特に春や初夏のシーズンにはアウトドアマルシェも盛んに開催されている時期で、全国を広く回る予定があるとのことだった。
「アウトドアは春秋が一番盛んです。だからアウトドア商品も春と秋に需要があるんです。うちのことを知らない多くの方に届けるためにも積極的にマルシェなどに出展していきたいなと思っています。」
「イベントの楽しいところは、お客様の生の声を聞くことができるところです。こういうのがあると嬉しいなど、アイデアをいただけます。あとはどういう人が買ってくれてるのかっていうのも実際に見ることができるんです。お客様とお話しできるのもちろん楽しいです。あと自分が作ったものを買ってもらえるとやっぱり嬉しいですよね。」
マルシェやイベントの楽しさを嬉々として話してくれた鈴木さん。この後も積極的に出店の機会に挑戦されることだろう。
⑤新商品の計画と今後の目標について
sûdsnsは現在、新商品のリュックサックを試作中だ。
「僕が山登りをするときに気になるポイントからアイデアを得て、凝縮したようなアイテムです。脱いだダウンジャケットが入るスペースがあり、ストックとかをつけられます。ペットボトルがそのまま入るスペースもありますよ。他にも作ってみたい商品はいろいろあります。ウッド系の小さいテーブルとかいいですよね。山に持っていけるような軽い組み立てテーブルとか。」
リュックを探している方や登山・アウトドアが趣味な方にはぜひチェックしていただきたい。
「海外からの問い合わせもあり、今日も一件台湾の方が買ってくれました。今後は海外のお客さんも伸ばしたいなと考えています。」
sûdsnsの情熱と未来のビジョンが満ちているように感じた。
最後に、座右の銘と、日頃大切にしていることの2点を質問してみた。
「座右の銘っていうか大切にしているのが”思い立ったらすぐ行動”です。常に心掛けていますね。すぐやらないと忘れちゃうし、寝る前に思いつくことも多いんですよ。アイデアが浮かんできたら、スマホにメモを入れたり、調べてみたりとかして結局寝れなくなることもありますね。他のお店に見に行って、この商品はこうなってるんだってなって学びながら考えることもあります。」
鈴木さんの日常にもうひとつ欠かせないのは読書によるインプットだという。
「今日3ページくらい読もうかな、みたいな風に決めて読書をします。成功されてる方って、本読んでる方多いですよね。あと僕は、作業中にオーディオブックで本を聴くのも好きです。耳から入ってくるんで、作業中でも読書できるんです。ぼくの大切にしている習慣です。」
アイテムを生み出すために日々勉強を続けている鈴木さん。今後も間違いなくユーザーが喜ぶアイテムを次々と生み出してくれることだろう。
筆者は、sûdsnsの今以上のヒットを、心より願っている。