オーダーメイドクリーニングで一つひとつを丁寧に。家族で営む「三和クリーニング」を訪ねてみた。

 

 

TOM
お気に入りをクリーニングに出したいんだよね!
SARA
いいじゃない!!スーツ?コート?
TOM
僕の自慢の毛皮!!
SARA
・・・それはムリ・・・

 

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岐阜県羽島市にある「三和クリーニング」をご存知だろうか。
オーダーメイドクリーニングをしてくれる個人経営のクリーニング店だ。二代目となる川崎 雅生(かわさき まさお)さんにお話をうかがった。

 

今回のツムギポイント!
  1. 家族経営の二代目に
  2. 全員が国家資格を取得
  3. オーダーメイドクリーニングでの手仕上げ
  4. リフォームや毛玉処理も
  5. 大切なものをキレイにしたい

 

①家族経営の二代目に

 

岐阜県羽島市にある「三和クリーニング」。市内でも少なくなりつつある個人経営のクリーニング店で、一つひとつを丁寧に仕上げているオーダーメイドのクリーニング店だ。その「三和クリーニング」を受け継ぐのが二代目となる川崎雅生さん。まずは、店名の由来からお話をうかがった。

 

「名前に関しては、もともと別の事業をやっていた祖父の時代に使っていたものを受け継いだ形です。『三和クリーニング店』としては、私が二代目。先代である父から継ぎました。」

 

名前は川崎さんの母方に由来し、事業としては父方の祖父にルーツがあるという「三和クリーニング」。1987年に川崎さんの父が創業し、この地に根付いてもうすぐ40年。以降、家族経営で営んでいる。

 

 

「父と母。姉も一緒に家族総出で頑張ってます!」

 

そう話す川崎さん。店主である父の後を継ぐことは、小学生の頃から思い描いていたそうだ。

 

「小学生の頃から、将来はクリーニング店を経営するものだと思っていました。高校も経営を学ぶために商業科に進みましたし。反発するような気持ちもなく、継ぐことは自然な流れでしたね。」

 

 

②全員が国家資格を取得

 

こうして川崎さんは高校を卒業後、クリーニング店主への道を歩みだした。

 

「見聞を広めるという意味で、まずは東京へ修行に行きました。クリーニングの大手企業に就職し、22歳ごろに岐阜に戻ってきたんです。」

 

川崎さんは、この修行期間にクリーニングの国家資格を取得。学校などで学ぶこともあるそうだが、実務を行いながらクリーニング師となった。

 

 

この資格は、「ひとつのクリーニング店で一人以上が持っていればいい」そうだが、クリーニング店を経営するためには欠かせないものだ。衛生法規や公衆衛生、洗濯物の処理に関する知識や技能を求め、3年に一度行われる研修も必須となっている。

 

この国家資格を「三和クリーニング」では全員が取得。高い技術や幅広い知識を有するからこそ、特徴である一点一点オーダーメイドクリーニングでの手仕上げが実現している。

 

「個人経営の店舗なので、大手企業のように早く安くやることは難しい。その分、一点一点、丁寧に仕上げていく。それが特徴かなと思います。洋服などお預かりしたものに合わせた洗いや仕上げをしていきますから。」

 

 

③オーダーメイドクリーニングでの手仕上げ

 

クリーニングの工程は、洗って、仕上げて、渡すというのが大まかな流れだ。その一つひとつの工程にも複数の種類があり、取り扱う衣類やものによって、扱う溶剤や手法が変わっていく。洗濯機が使用できない場合は、手洗いをすることもあるそうだ。

 

「一言に洗いと言っても、例えば水洗いとドライ洗いという2パターンがあります。水洗いも大きく洗えるものなのか、小さく洗うものなのかと言ったように、どんどん細かく別れていくのです。」

 

工程が枝分かれするクリーニングにおいて、全員がクリーニング師であるということは心強い。豊富な知識や信頼のおける技術があるからこそ、持ち込まれるのものも、高級ブランド品から呉服、ぬいぐるみ、絨毯など多岐に渡る。

 

「高価なもの、思い出のあるもの。大事にしたいものを持ち込んでいただくこともあります。もちろん、取り扱う上での怖さもありますが、当店は手作業ならではの丁寧な仕上がりが強みです。お預かりしたものは一点一点大切にクリーニングさせて頂きます。」

 

 

 

④リフォームや毛玉処理も

 

どのようなジャンルのものでも相談可能で、キレイになって戻って来るクリーニング。加えて、洋服のリフォームや毛玉処理なども手掛けるという。

 

「当店では洋服のリフォームや毛玉処理といった衣服ケアにも力を入れております。今では家庭用の毛玉処理機や楽に仕上がるアイロンなども普及し、ご家庭でのお手入れが手軽になりましたが、当店を利用して下さるお客様の中には想像以上の仕上がりに驚かれる方も多くいらっしゃいます。それだけ当店での衣服ケアが充実しており、お客様の満足につながっている証かなと自負しております。」

 

一点一点丁寧に仕上げられるオーダーメイドクリーニングだからこそ、洋服がキレイになる。すると、今まで気にならなかった毛玉が目につくようのなる、その処理も行ってくれるのだ。「違いは分かってもらえます」と川崎さんが話すように、個人経営だからこそできるサービスもまた、「三和クリーニング」の魅力なのだ。

 

もちろんそこには、技術力の高さが必要だ。川崎さん自身、過去には地区の代表として「全国ワイシャツ仕上げ競技大会」に出場した経験がある。

 

昔ながらの電気アイロンを用いて、仕上げの技術を競う大会に地区の代表として出場するほどの確かな技術。その力を頼って、今も多くのお客様が集う。

 

「県外から送ってくださるお客様もいらっしゃいます。その中でも料理人の方で白衣などを毎回ダンボールに詰めて送ってきてくれて、仕上がったものをまた送り返すことを行います。また別のお客様で、クリーニング前の衣服を送って頂き、仕上がり後来店し、受け取るという方もみえます。全ての衣服を配送で対応できるかというと難しい部分もあります。現在、お客様のメインは羽島市や岐阜市周辺の方々です。集配もやっていますので、ぐるぐるとあちこち回っています。」

 

 

⑤大切なものをキレイにしたい

 

多くの人に届けたい想いもあるが、クリーニングの特性上、返送の際に様々な負担などが伴ってしまう。キレイな仕上がりの状態で渡せないことにジレンマも発生したため、広範囲での対応は断念したそうだ。

 

「事業は大きくはしたい。でも大きくしたときに、強みである丁寧なクリーニングがどこまでできるのか。そこは悩ましいです。それに羽島市内でも個人のクリーニング店は減ってきています。後継者問題もあり、ゆくゆくはうちしか残らないかもしれません。体制を整えていくことも、今の課題です。」

 

大手クリーニング店が主流となりつつある時代。早く安くも魅力的だが、一つひとつを丁寧に扱うことで、長く愛用できるものも増えていく。

 

「スーツなどは消臭スプレーで済ませてしまう場合もあると思います。でもそれでは、汚れが落ちません。汚れが蓄積すると虫食いなどにつながってしまうので、クリーニングに出していただきたいです。」

 

便利なものも増えたが、人の手によって蘇るものがある。「三和クリーニング」から戻ってきたキレイな衣類などを見たら、心も晴れやかに、洋服を着る楽しみも増えそうだ。

 

「他店には負けないくらいキレイにすることに自負を持ってやってます。羽島市内の他店さんより料金設定も高めですが、やっぱり皆様の大切なものをキレイにしたい。その想いが強いです。」

 

開業時から変わらずに「キレイにする」ことへの想いを持ち続ける三和クリーニング。大事なものを末永く、キレイに保ちたいときは、ぜひ三和クリーニングを利用してみてはいかがだろうか。

 

 

 

三和クリーニング

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