子どもたちに本物の芸術を学べる環境を提供する「USACカルチャースクール」を訪ねてみた。

 

 

TOM
久しぶりに絵を描いたんだけど見てくれる?
SARA
絵を描くなんて素敵だね!どれどれ…?これ何も描いてないよ?
TOM
どう?僕が描いた透明人間だよ!
SARA
・・・それする子、小学生の頃までしか見なかったわね・・・

 

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岐阜市にある「USACカルチャースクール」をご存知だろうか。
日展準会員の先生を招いて、子どもたちに本物の絵画や造形を学べる教室を運営している。今回は、館長の浦崎 充代(うらさき みちよ)さんと、運営事務局長の大石 早弥華(おおいし さやか)さんのお二人にお話をうかがった。

 

今回のツムギポイント!
  1. 芸術で子どもたちの創造性を育む地域貢献
  2. USACカルチャースクールの5つのメリット
  3. 日展準会員から直接学ぶ、本物の芸術体験
  4. 確かな仕事のやりがい
  5. 想像力が個性を生む「USACカルチャースクール」

 

①芸術で子どもたちの創造性を育む地域貢献

 

USAC(ユーザック)カルチャースクールは、絵画・造形教室と英会話教室を取り扱うカルチャースクールである。親会社のユーザック株式会社が支援しているため、「ユーザック」という社名を引用している。
親会社は、集塵機を製造販売している会社で、現場社員の健康と環境に配慮したサスティナブルな価値を提供している。(集塵機=工場などで機械から発生する粉塵を吸引して濾過してクリーンな空気にする職場環境を改善する環境機器。)

 

集塵機を取り扱う企業が、なぜ芸術に関するカルチャースクールを運営することになったのだろうか?

 

「ユーザックの社長が、日展準会員の白坂先生とのご縁で、芸術関係の支援を始めたことがきっかけです。その中で、白坂先生や他の先生を招いて、芸術に関する教室を開きましょうとなり始まったのが、ユーザックカルチャースクールです。」

 

このプロジェクトは、社長の地域に貢献したいという思いを基盤にスタートしたと浦崎さんは話す。

 

スクールの運営に関わる浦崎さんや大石さんは、ユーザックの業務を行いながら教室を運営するという兼任業務を行っている。本社の2階がユーザックの事務所、3階がギャラリーと教室として使用している。

 

「地域や身近な方に芸術に親しんでいただきたい、子どもたちに絵や造形などの芸術に触れてもらいたいという気持ちで運営しています。そのため、このスクール運営で利益を追い求めることはあまり重要視していません。」

 

英会話教室は大人のみ対象で、自分の時間ができ、英語を楽しみたいとマンツーマンの指導を希望する方が通っている。絵画・造形教室のメイン対象は子どもで、芸術を通して子どもたちの創造性を高めたいと語る。

 

「一般的に、子どもたちに勉強だけを勧める傾向がありますが、絵や造形などの芸術は情緒を豊かにする側面があります。小さい時に身についたものは、そのときに発揮できなくても、大人になってから開花されることが多いです。大人が子どもたちを長い目で見てあげる環境を作る、そのきっかけや土台作りのお手伝いができればと考えています。」

 

多くの人はこれまで学生時代の授業で美術や図工に触れる程度しか芸術に触れていなかったのではないだろうか?子どもの時に芸術に触れておくことで、大人になって創造性を求められる業務に直面した際に、どれだけ発想力や感性の豊かかで得意不得意に繋がる。ユーザックはそこまで考えられたスクールなのだ。

 

社長は、近くの小学校にも、もっと芸術と親しんでもらいたいと寄付を行っているという。社長を含めた全従業員の地域に貢献したいという思いを込めて、ユーザックカルチャースクールはスタートしたのである。

 

 

 

 

②USACカルチャースクールの5つのメリット

 

絵画・造形教室では、絵と粘土の制作があり、それぞれ日にちが分かれている。どちらか一方ばかりだと、子どもたちは飽きてしまうからだ。子どもたちのやる気が尽きないカリキュラムの工夫が大切だという。

 

「子どもたちは絵も粘土もどちらもやりたいんです。造形がある教室はこの辺では珍しいので喜んでもらえます。その他に、傘や色紙に絵を描くなど、いろいろな活動を行っています。」

 

絵や粘土の制作には、子どもたちの脳の発達や創造力を育む目的がある。粘土は指先を使うので、脳の刺激につながるなどが期待できるし、モノを作るという喜びを実感できるので、粘土の時間も好評だ。

 

「粘土の時間になると静まり返って黙々と取り組むんです。時間になっても帰りたくないと、泣き出す子もいるぐらいです。何よりその時の子どもたちは真剣です。」

 

 

好奇心旺盛で気が散りやすい子どもたちが、粘土の時間になると一心不乱に集中する。大人にとっても、何かに本気になれることがあるのはとても大切である。芸術に触れることのメリットを感じる。

 

ユーザックカルチャースクールでは、子どもたちが作った作品をコンクールに出すことを重視しており、それにも理由があるのだという。

 

「何かの実績を残すと、子どもたちの自信になります。それを受けて親御さんも支援しようという気持ちにつながります。賞を取ることだけが目的ではありませんが、結果的にうちの生徒さんはたくさんの賞を取っています。」

 

 

前向きかつ意欲的に制作した結果、受賞という形で成功体験を得ると、励みになるだろう。こうした小さな成功の積み重ねによって、大きな成功を目指す挑戦の原動力を育むことにもつながる。これも芸術に触れることのメリットである。

 

さらに、コンクールで受賞することで、普段教室には来ない家族も展示会に来るので、「これが僕・私の作品だよ」というように家族間のコミュニケーションにもつながり、相乗効果も生まれる。

 

子どもたちが芸術に触れることで、創造力や集中力、自信と挑戦する意欲、家族間のコミュニケーションの活性化に至るまで、さまざまな利点を得られるのである。

 

 

③日展準会員から直接学ぶ、本物の芸術体験

 

スクール創業当初は、集まった生徒が5人だったこともあり、人が集まるかどうか不安だったという。このスクールがあることを知ってほしいと、インスタグラムを立ち上げるなど取り組んだものの、有効な宣伝活動を見出せず試行錯誤を重ねた。

 

その状況を踏まえ、社長から、最初は宣伝広告費を使ってもよいとの後押しもあり、広告媒体の利用や、小学校にパンフレットを配布するなどを行い、周知活動に努めた。その甲斐もあり生徒は徐々に増えたのである。今では、インスタグラムや学校の友達の口コミで来ることも増えたという。

 

「みなさん一度来ていただくと、『こんな素敵なところがあるのを知らなかった』とおっしゃっていただき、そのまま教室に通われます。」

 

宣伝活動の一方で、創業時の地域に貢献したいという思いをのもと、さまざまなイベントに参加している。岐阜市からの依頼で参加した、岐阜ハウジングギャラリーの各務原展や県庁前展示場では、ストーンアートやポーリングアート、ママの似顔絵コンクールなど面白い企画のワークショップを開催している。

 

「地域の方のためという思いで、定期的に地域の子どもたちに向けたイベントを開催しています。親子で参加できるイベントでは、おばあちゃんとお孫さんとのコミュニケーションにもなるので特に好評です。」

 

この活動は岐阜新聞でも取り上げられたという。地域に貢献したいという思いが実を結んだ瞬間である。

 

ユーザックカルチャースクールの強みについて、浦崎さんに話をうかがった。

 

「日展準会員の白坂先生が直接教えてくれるというところが強みです。白坂先生から本物の芸術を教わることができる環境があるのは、大人の私たちから見ても羨ましい機会だと思います。」

 

日展準会員は、受賞歴が豊富な人しかなれない、いわば芸術界のメダリストのような存在である。そんな芸術家に教わるのは、滅多にない貴重な機会で相当な強みだ。白坂先生の直接指導は1ヶ月に1回と限られているが、白坂先生の不在時は、芸術大学を卒業された若い先生が教えるなど、質の高いサポート体制を確立しており、生徒の満足度も高い。

 

 

④確かな仕事のやりがい

 

1回のレッスンは1〜2時間程度で、幼稚園から小学生低学年で1時間、中学年から高学年になると2時間である。一人ひとりと向き合えるように、1つのクラスの人数は10〜12人にして、少人数制方式を導入している。

 

「周りからは、もっと商売っ気を出すよう言われることがあります。でも、それが目的ではありません。地域の方に喜んでいただければという気持ちで運営しています。」

 

創業時の思いを守り、利益優先に走らない方針を貫いている。スクールに通っている一番多い世代は小学3年生。そのうち半分が男の子とのこと。一方で、最近は幼稚園や低学年の子も増えていると大石さんは言う。

 

「本来は年長からとしているんですけど、年中から通わせてもよいかという問い合わせもあります。そういう子は、もともと絵を描いたりモノを作ることが大好きな子が多いです。生徒さんたちは可愛いですよ。年長から通っている3年生の男の子たちが甘えてきたり。みんな教室が大好きで、喜んで通ってくれていることがわかります。」

 

子どもたちにとっては、学校とは別のコミュニティーにもなっていて、いろいろな価値観の人と触れ合うことにつながっているのだ。

 

大石さんは、スクール運営を通じて、地域の方と話せてつながりを持てる楽しさがあるという。さらに、時には子どもたちから感動をもらうこともあるという仕事のやりがいについても話す。

 

「絵を描いているときに途中で嫌になって泣いてしまうこともあるんです。そういう一面も見ているので、『できたよー!』って見せに来る姿や、仕上がったときの達成感は、心に強く響くものがあります。今のうちにいっぱい失敗して、いっぱい成功すればいいと思います。」

 

時には挫折を味わうことも人生において大切なことで、それを乗り越えた成功体験は、子どもたちが前向きに進むための自信につながる。ユーザックカルチャースクールは、子どもたちの成長を通して大人も学べる機会が多い。地域に根付いているからこそのやりがいのある仕事なのだと語ってくれた。

 

 

 

⑤想像力が個性を生む「USACカルチャースクール」

 

浦崎さんは、特に年長から小学校中学年の子どもたちに、ユーザックカルチャースクールに通ってもらいたいと考えている。

 

「幼稚園から小学校3年生までの子どもの成長過程を見ていると、すごく成長の変化が見えます。2〜3年前は椅子に座っていられず全然描けなかった子が、今では何時間も座って黙々と仕上げるのです。そういう子は、集中力が違うし、発想力がついています。ぜひお勧めしたいです。」

 

そのうえで、子育て世代のお父さんお母さんに向けて、勉強だけではなく、子供たちに芸術に触れさせてほしい、芸術も人間性を育むのに大切であることを伝えたいという。大石さんは、AIが台頭する中で生き抜くためのスキルアップになると考えている。

 

「今後ますますAIで代用できる時代が進む中で、一人ひとりの個性が大事になると考えています。そのため、小さい時に想像力を身につけておけば、大人になって自分なりのユニークな考えを表現できる人間になると思っています。」

 

その一方で浦崎さんは、大人になるにつれて、これをやりなさいなど、自分の思いを自由に表現しづらい側面があると指摘する。だからこそ、芸術を通じて、自由に表現できる時間を子どものときに作るのが大切だと言う。

 

「勉強には決まった答えがあります。でも絵を描く、モノを作るというものは、自分の想像力と情熱を頼りに、何もないところから仕上げるものです。感じ方は人それぞれで、答えは十人十色だからこそ個性になるのです。」

 

定型化された正解はAIで導き出せる時代だからこそ、個性を育むことを大切にしているのである。

 

ユーザックカルチャースクールでは、日展準会員の本物の芸術を学べる環境で、集中力や発想力が身につき、自由に個性を表現できる力を養えるだろう。

 

お子様の創造性豊かな未来の一歩を踏み出す機会には、ユーザックカルチャースクールをお勧めしたい。

 

 

 

 

 

 

ユーザックカルチャースクール

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