この記事は約6分で読めます。
岐阜市加納にある「CHEESE MEAT MANIA KU-DETA(チーズミートマニアクーデター)」をご存知だろうか。
憩いのお食事時間を提供してくれるレストランだ。今回は代表の足立 裕哉(あだち ゆうや)さんにお話を伺った。
- 独立の夢を叶えたお店
- アメリカを旅するレストラン
- 飲食にかける想い
- お肉とチーズのこだわりメニュー
- 今後の展望は?
①独立の夢を叶えたお店
CHEESE MEAT MANIA KU-DETAは、若い頃から独立願望があった足立さんの夢が叶った念願のお店だ。初めはCHEESE MEAT MANIA KU-DETAを運営していた会社に勤めていたという足立さんは、当時社長に名前の由来を尋ねたことがあったという。
「お肉革命がテーマのお店だったんですが、インパクトがあるネーミングが好きだったようで”クーデター”になったそうです。あとはバリ島にクーデターという名前のリゾートレストランがあり、とても素敵なお店なんです。そんな非日常空間を岐阜で届けたいという想いでクーデターと名付けそうです。」
インパクトある素敵な店名の由来を語ってくれた。もともとはROCKYU’N MEAT MANIA KU-DETAという店名だったそう。
「女性をターゲットにしたお肉屋さんだったんですけど、やはりお肉という事で男性のお客様が多くて。そこで少し変化を加え、女性にも親しみやすいものはなんだろう?と考え相性の良いお肉とチーズだ!となりました。そしてCHEESE MEAT MANIA KU-DETAになったのが2016年の2月です。」
おいしいお肉とチーズを楽しめるおしゃれなお店として、女性客をターゲットにしているCHEESE MEAT MANIA KU-DETAは、店内の空間がとても素敵だ。
②アメリカを旅するレストラン
続いては内装について質問していく。直近では2年前に一度改装をしているという店内は、アメリカンスタイルでまとめられている。面白いのは、店内が4つの系統に分けられているということだろう。
「元々アメリカ・ニューヨーク風の店内でしたが、リニューアルに伴いガラッと変え、リゾートや旅行をイメージした店内にしました。このお店でアメリカの四カ所が感じられる内装になっています。」
「”アメリカを旅するレストラン”っていうのを、僕の会社のコンセプトにしようと考えました。コロナで外食がどんどん衰退していく中で、でも旅行や非日常を味わいたいという想いは絶対に残るはずだと思いました。そこでお客様に、旅行に行くくらいの価値提供をしたいという想いがあって、こうしたコンセプトに決めました。」
こうして旅行やリゾートに遊びに来たような気分にさせてくれるレストランが誕生したのだそうだ。
お肉とチーズが好きな方はもちろん、海外の雰囲気が好きな方にとっても楽しいお店なのではないだろうか。
③飲食にかける想い
足立さんは、ご実家が製麺工場という環境で育ったそうだ。飲食関係にご興味を持たれたエピソードを教えてくれた。
「もともと実家が製麺工場で、麺を製造してスーパー等に卸していたんです。父親が4代目だったので継ぐというビジョンもあったのですが、アレルギーがあるので工場に入れなくて幼ながらに継ぐ事が難しいと感じていました。しかし、父親が食に関わる仕事をずっとやっていたので、僕も食に対して興味がありましたし、作る楽しみは感じていましたね。」
大切な思い出を紹介してくれた足立さん。お父様の背中はとても大きいものだったようで、
「自営業で正月以外ずっと働いている父親を見て”親父みたいになりたくねえな”ってずっと思ってましたけど、結局は親父の背中を追ってたのかなって今でも思いますね(笑)。」
とほんのり笑いながらお話されていたのが印象的だ。
飲食にかける足立さんの思いは、提供する品物のクオリティだけではない。
「料理以上に人次第だなって思うので、どれだけおいしい料理を提供したところで、僕たちの心がお客様に向いてなかった場合はまったく響かないと思っています。」
と真っ直ぐな想いを語ってくれた。
「”たくさん来てくださるお客様の中の1人”ではなくて、”1人ひとりのお客様”と向き合っていかないと、本当に愛されるお店にはならないと思います。スタッフ達にもマニュアル通りにやっていても心は繋がらない。マニュアルを越えたその先に・お客様のためにという気持ちがない限りは届かないよと伝えています。そして、お客様に届いた時に”うれしい”という気持ちがある。これが本当に飲食の醍醐味だと思います。」
「どんどんSNSが普及して、繋がる場が少なくなっています。その中で、外食という場の関係性を構築する・もっと繋がる場所として提供するというのが僕の想いでもあります。」
足立さんのお客様への想いや、素敵なモットーを紹介してくださった。
④お肉とチーズのこだわりメニュー
CHEESE MEAT MANIA KU-DETAはお肉とチーズが2大看板メニューのお店だ。
まずはお肉について熱意と魅力を伺っていく。
「僕自身、牛カツの美味しさに魅了され追求しながら提供していました。牛カツの衣は、すごく剥がれやすいのですが、どうしたら剥がれないようになるか研究しました。あとは火入れの具合です。火入れし過ぎもレア過ぎも美味しくならない、ちょうど良い具合を追求しましたね。」
おいしい牛カツ作りについての足立さんの情熱をたっぷり聞かせていただいた。
「牛カツはもちろん、ぜひステーキも食べていただきたいです。お肉自体も大事ですけど、焼き方もめちゃくちゃ大事で、焼き方一つで美味しさが変わってしまうほどです。これからの想いとしては、”肉を食べるならKU-DETA”の認知を皆様につけたいと思っています。」
“焼肉”ではなく、”お肉本来のおいしさ”を楽しむならCHEESE MEAT MANIA KU-DETAだ!という認知獲得のために奔走されているという。
続いては、チーズについて伺った。
「KU-DETA時代の一番の名物がチーズフォンデュだったんです。お肉と合うフォンデュのブレンドは難しく、高いチーズばかり使えば美味しいチーズフォンデュになるというわけでもないんです。お客様の様子をみて、チーズフォンデュは今の形がベストかなと思っています。あとはリコッタチーズを作っているのでパスタに乗せて使ったりと、自家製のものも少しずつ提供できるように進めています。ピザも人気で、チーズと合わせて、自分たちで伸ばした生地を提供しています。」
チーズと相性の良い、パスタやピザメニューも自信作。イタリアンがお好きな方は、どのメニューもつい気になってしまうことだろう。
CHEESE MEAT MANIA KU-DETAへお越しの際は、ぜひお肉にチーズ、パスタとピザで心もお腹も満腹になっていただきたい。
⑤今後の展望は?
足立さんによると、コロナ禍以降はディナーの外食割合が減っており、いまだに以前ほどの回復は見せていないのだという。
「そこを何とかしていきたいですね。やっぱり夜、食事に行く機会があると元気になるし、楽しみですし、次の日の仕事も頑張れたりすると思うので、そんな時間をもっともっとこのお店で提供出来る事をアピールしていきたいです。」
とお話しされた。日中には、なかなか楽しめないお酒もCHEESE MEAT MANIA KU-DETAのディナーで満喫していただきたいという想いもあるそうだ。
「お店のメインが肉とチーズなので、何といってもワインが合うんです。ワインは難しく、わからない方が多いと思います。そのため、勧められた物を飲む事が多いと思うのですが、そうではなくて、このお店のお肉にはこのワインが合うななど、発見しながらワインも楽しんでもらいたいですね。」
一方、より人気のランチでは、特別な日用のメニューを計画中だという。
「コースのような、お祝いや大切な時間を過ごしていただくためのメニューを考えています。」
足立さんは他店舗展開も視野に入れているそうで、クオリティの分散型ではなく、接客もお料理もこだわった多店舗展開を目指したいと話してくれた。
「もう6年くらい、いろんな勉強をしてきています。そろそろ多店舗展開に挑戦してみてもいいんじゃないかと思ってはいます。新たなお客様にも出会えて、活躍の場を広げられるので、接客もこだわって料理もこだわっての店舗展開はもちろんしていきたいです。」
「外食業界の今後は、どうなっていくのか本当に分かりません。今よりロボットやAIが活躍する時代になると、人との繋がりがより薄れてしまいます。でも、やっぱり人との繋がりに重きを置いていきたいと考えています。商品力も大事なんですけど、やっぱり僕は『人』というところに一番力を入れたいです。」
岐阜で、旅行中のようなどきどきとわくわくを届けるレストランとして、お客様に本気で寄り添い、より素敵な時間を過ごしてもらうための努力を惜しまない足立さんがプロデュースするお店では、今日も明日も、たくさんの笑顔が生まれるに違いない。