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お客様に寄り添い、癒やし空間を提供するリフォーム専門店「repos⁺」をご存知だろうか。
インテリアコーディネーターという肩書ながら提案から現場管理・完工まで一括管理を行い、快適な住まいを叶えている。代表の渡辺 ゆりか(わたなべ ゆりか)さんにお話をうかがった。
- 癒やし空間をプラスするリフォーム
- 落ち着く場所がほしいとインテリアの道へ
- お客様との対話を大切に
- 最初に出す提案が一番大事
- 植物の力でさらなる癒やしを
①癒し空間をプラスするリフォーム
店名の「repos」はフランス語で癒し、休息という意味がある。「癒しの空間をプラスした提案をしたい」という想いから名付けたものだ。
快適で癒やしのある空間を提供しているリフォーム専門店「repos⁺(ルポプラス)」。代表を務めるのは渡辺ゆりかさん。家のリフォームは一生ものの大きな買い物だからこそ、一つひとつの工程を丁寧に。お客様に寄り添うことを信条にしている。独立して約1年半。まずは開業までの経緯をうかがった。
「今年でインテリアコーディネーターの資格を取って16年目になりました。業界での経験も同じ16年くらいです。」
前職はリフォームのコーディネーター兼提案をしていた渡辺さん。当時からオーダー住宅のコーディネートやオーダーキッチンの営業、リフォームなども含めて担当し、打ち合わせ、現場確認、完工まで、トータルで行う仕事を続けてきた。
「いろいろなことに携わる中で、漠然と40代くらいで独立したいという思いがありました。その中で、様々な事情が重なり会社を辞めるタイミングが突然訪れたんです。そのときに『これは独立だな』と感じました。」
そうして2023年、リフォーム専門店「repos⁺」を立ち上げた。現在の業務内容も、打ち合わせに始まり現場、完工までを一貫して行っている。
「コーディネーターという肩書ですが、現場も見るのでコーディネーター業務だけではないんです。お客様から聞いた要望をきちんと叶えようと思うと、現場管理まで行うことが一番の近道だと思います。」
そう話す渡辺さん。もちろん、工事などは関連する職人さんなどの協力があってこそだが、お客様のみならず、周囲ともきちんと打ち合わせをして進めていくのが「repos⁺」の特徴とも言える。
②落ち着く場所がほしいとインテリアの道へ
そんな渡辺さんが、インテリアの道を目指したのは中学生のころ。多感な時期に、自分の落ち着く場所がほしいと感じたことがきっかけとなった。
「落ち着く空間がほしいなと感じたときに、自分がそうした空間の提案をできる仕事につけば悩みも解消されるし、同じように悩む人の力になれると思いました。そんなときにインテリアコーディネーターという仕事を知ったんです。」
だが、学業を終えてすぐにインテリアに関する職についたのではなく、「寄り道もしてきた」そうで、事務職やアパレルの販売などに携わってきた。
「どの仕事も面白かった」と渡辺さんは口にするが、胸に広がるのは「やっぱり、自分のやりたいことをしたい」という想い。いろいろな世界を見たからこそ、たどり着いた心境だった。
③お客様との対話を大切に
寄り道をしつつもインテリアの世界へ入った渡辺さん。特に興味を惹かれるのはリフォームだ。
「新築に携わるのも魅力的ですが、やっぱりリフォームが面白いんです。建物の癖、環境など、いろいろなものを加味しなくてはならない。その中でいかにベストな間取りやプランを提案できるか。そこにリフォームの面白さがあります。」
お客様に最善の提案をするためには知識なども必要。16年のキャリアがあっても「まだまだ」だと渡辺さんは口にする。一生モノを提供するからこそ眠れないこともしばしばで、今でも現場が始まると、ものすごい緊張感があるのだそうだ。
「お客様は何百万、何千万円というお金を出しています。一生、住まわれる大事なお家になるかもしれません。万全の準備で挑みますが、やはりいろいろなことも起こるので、毎回、緊張感があります。」
そうした職業だからこそ、大切にしているのはお客様との対話だ。
「お客様に寄り添うことは大切なことです。お客様が何を求めていらっしゃるか。それはきちんとヒアリングしますし、現状の暮らしも見せていただいています。そうしないとよりよい提案は難しいです。」
お客様との打ち合わせは、必ず対面。少しずつゆっくりと話しを進めていく。ヒアリングは1回で3時間ほど必要なこともある。
「でも、それでも足りないくらいです。」
④最初に出す提案が一番大事
お客様の要望を丁寧に聞きながら、間取りなどに合わせて最適な提案をしていくにはアイデアも必要だ。なかなか浮かばないときはどのようにしているのだろうか。
「答えが出るまで考えます。お客様に提案をするまで、いろいろと考えるんですけど、すごく短いときもあれば、時間がかかるときもあります。でも、一つのイメージが固まるまでは手をつけず、頭の中でぐるぐる考えます。」
前職時代を含めて、リフォーム実績は300件以上という経験もあるが、独立後はさらに時間をかけ、納得のいく提案ができるまでしっかりと向き合っている。
「最初に出す提案が一番大事。ヒアリングしたものをどれだけ形にできるか。それはお客様が一番見ているところですし、すごく緊張します。」
決して安価なものではなく、すぐに手に入るものでもない。毎日の暮らしを支える住まいだからこそ丁寧に寄り添う。それは、打ち合わせだけではなく、現場での工事が始まってからも同様だ。
事前に決まったことも必ず現場で確認する。紙の上で見ていることと、実際のお家で見たときのイメージが異なる場合もあるからだ。「毎日現場に通う」という渡辺さんの心配りは、お客様のオーダーを職人さんに伝え、お客様のストレスとなり得るズレを回避する目的もある。
また、住宅のリフォームは、すぐにできるものではなく「最短でも3~5ヶ月」。スパンが長いからこそ一つひとつ、確実に確認して進めていくこともまた、「repos⁺」の強みになっている。
⑤植物の力でさらなる癒やしを
リフォーム専門店として出発し、約1年半。「集客」に苦戦する場面はあるものの、修繕を含め需要はある。徐々に軌道に乗せながら、渡辺さんはルボア フィトテラピーにも取り組んでいる。
「ルボア フィトテラピーは、一言でいうと植物療法。植物の力を借りて、人間が持っている健康を維持できる体を目指しましょうというものです。民間の資格もあります。」
もともと「普通に暮らすのが大変だった」ほどの持病を持っていた渡辺さんは4年ほど前にルボア フィトテラピーに出会った。その後、初級編を今年2024年の2月から学び始めた。あと、3つを受講すると植物療法士の名がいただけるのだと言う。渡辺さんは経営を続ける傍ら、スクールに通いながら今も勉強を続けているそうだ。
「植物の力を借りて、驚くほど自分の体調が回復しました。普通に暮らせるようになってきたからこそ、repos⁺で提案する『暮らしと癒し』。そこに健康もプラスした提案ができたら最高だなと思いました。現在はアロマを使ったワークショップなども行っています。」
普段の生活の中でアロマオイルやハーブティーなどを取り入れて、健やかな心身へ。自身の実体験があるからこそ、住まいとの融合を考えた。
「私自身もそうでしたが、疲れると家は散らかりますし、メンタル面で苦しくても隠している方も多い。そうした部分にも寄り添いながら、お家の提案をできたらいいなと思っています。」
現在、住宅リフォームは40~50代、店舗などのリフォームは30~40代のお客様が多く、客層も幅広い。様々な方が来られるからこそ「こだわってお家や店舗を作りたい方に、ぜひ一声かけていただきたい」と渡辺さんは話された。
最後に、改めて今後の展望を聞いた。
「事務所兼の店舗作りは叶えていきたいですし、自分自身が気に入って使っているものの物販やオリジナル商品の製造も考えています。」
オリジナル商品の第一弾は革職人と共作しているカバン。こうしたグッズもやはり「癒やし」ある生活に寄り添うものだ。
『暮らしと癒し』をベースに、健康に導く植物の力をかけ合わせ、オリジナルグッズも展開していく「repos⁺」。リフォームや修繕を考えたら、インテリアコーディネーターという肩書にとどまらないリフォーム専門家の渡辺さんのもとへ、ぜひ、相談に行ってみてはいかがだろうか。