会計を通じて企業の未来価値を創造する「藤垣会計事務所」を訪ねてみた。

TOM
会計事務所や税理士事務所と、税理士法人ってどう違うの?
SARA
税理士法人になるには、税理士が2名必要らしいわよ。
TOM
じゃあ僕とサラが今から税理士になればいいんだね!
SARA
・・・今からって何十年かかるのかしら・・・

 

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岐阜市にある「藤垣会計事務所」をご存知だろうか。
企業がビジョンを実現し、新たな企業価値を創造できるよう、プロフェッショナルの立場から全面的にサポートしてくれる会計事務所だ。今回は、所長である藤垣 寿通(ふじがき としみち)さんにお話を伺った。

 

 

 

今回のツムギポイント!
  1. 税理士の勉強に身が入らなかった20代
  2. ある出来事をきっかけに一念発起して税理士へ
  3. メンバーとともに試練を乗り越える
  4. 「2つの軸」を大切にコンサルティングを実施
  5. 企業の未来を創る会計事務所

 

 

①税理士の勉強に身が入らなかった20代

 

所長の藤垣さんは、大学を卒業後、愛知にある一般企業に就職した。その後、故郷の岐阜に戻って羽田野会計事務所に就職し、羽田野先生の下で働いていた。

 

2015年、藤垣さんが44歳になったある日、羽田野先生が事務所に来なかった。嫌な予感がして自宅に駆けつけたところ、先生が自宅で亡くなられていた。そして事務所で唯一、税理士資格を持っていた藤垣さんが事業を第三者継承し、藤垣会計事務所として新たなスタートを切ることになったのだ。

 

藤垣さんは大学で電気情報工学を学んでいたが、教養科目で選択した法律の面白さに魅せられた。そして現在は、税理士だけでなく、中小企業診断士、行政書士の資格を持っている。どれも難易度が高い資格であり、取得にはかなりの勉強を必要とするものだ。

 

きっと昔から勉強が好きなタイプなのだろう……勝手にそう考えていたら、意外な答えが返ってきた。

 

「税理士試験を受けると言って、羽田野会計事務所に入所しました。しかし先生から『今年はどうだった?』と受験結果を聞かれるのですが、毎年『ダメでした』と報告しかできなかったんです。勉強していないので、仕方ないですよね。当時はまだ若く、遊んでばかりだったので、なかなか受かりませんでした。27歳で結婚してからも、サボり続けていたので、受かるわけがありません。試験の日にお休みをいただいて、そのままパチンコに行ったこともあります。本当にダメな受験生だったのです。」

 

試験をサボってパチンコに行く姿が、目の前にいる藤垣さんと結びつかず、にわかには信じがたかった。藤垣さんの意識を変えたのは、何だったのだろうか。

 

 

 

②ある出来事をきっかけに一念発起して税理士へ

 

藤垣さんの話によると、お父様も経理の仕事をしていたという。

 

「父は、もともと銀行員でした。その後、建設会社の経理課長となり、役員になりました。そんな父親の姿を見ていたので、無意識のうちに、私も影響を受けていたのだと思います。」

 

しかし、お父様が勤めていた会社が倒産してしまう。藤垣さんが羽田野会計事務所に入所して、3年後のことだった。

 

「連帯保証もあり、父が苦しむ姿を間近で見てきました。」

 

その姿を見て、藤垣さんは無力感を覚えたという。

 

「当時、会計事務所に入って3年経って、お客様の経営について関わり始めた頃でした。しかし、父親からこの件について、私は何の相談もされなかったのです。今思えば、息子にそんな相談はしないだろうというのは理解できます。それに実務経験が3年くらいの”ひよっこ”に相談したところで、何の解決もできなかったでしょう。しかしそのとき、ちゃんと資格を取らないとダメだと痛感したんです。」

 

藤垣さんは、仕事をしながら約10年ほど税理士の勉強を続けた。そして40歳のとき、ついに税理士資格を取得したのだ。

 

「お客様に、父のような苦しい思いをさせたくない。その一心で勉強しました。その後、44歳で中小企業診断士という、会社の経営を支える資格も取得しました。税務を土台として、経営者の意思決定や、いろいろなお困りごとを支えてあげたいと考えています。」

 

 

 

 

 

③メンバーとともに試練を乗り越える

 

羽田野先生が亡くなられたのは、藤垣さんが中小企業診断士の資格を取得した矢先の出来事だった。2月1日、それはおそらく税理士が1年で最も忙しいタイミングだ。

 

「確定申告は、毎年2月16日から3月15日に行われます。その時期に藤垣会計事務所を立ち上げることになりました。引っ越しをして、事務所の壁紙を貼り直して、パソコンを契約して、2月27日に開業しました。その後の2週間、みんな倒れそうになりながら確定申告の仕事をしました。」

 

自分ひとりの確定申告ですら大変なのに……想像を絶する。

 

「夜中の12時を回っても、誰も帰らない。家庭を持っているスタッフも残ってくれている。申し訳ない気持ちと、絶対彼らスタッフを幸せにしなきゃいけないという強い気持ちが込み上げてきました。あれから9年たった今でも鮮明に当時のことを思い出します。」

 

スタッフを幸せにすると決意した藤垣さん。しかしその熱意が空回りしてしまったこともあるという。

 

「頑張っていろいろな資格を取り、コンサルタントの研修講師も引き受けました。もっと自分ができることを増やしたい、その一心でした。」

 

その背景には、不安な気持ちもあったという。

 

「一緒に働くスタッフのみんなにとっては、それまで同僚だった私が、いきなり経営者になったことになります。きちんとしないとNGを突きつけられるのではないかと不安だったんです。自分に自信を持てませんでした。当時は襲いかかる不安を払拭しようと、走り回っていたんです。しかしある日、幹部から『先生が何を考えているのかわかりません。みんな、ついて来ていないですよ』と指摘されました。そして自分が空回りしていたことにようやく気づいたんです。」

 

指摘されて、どのように感じたのだろうか。

 

「本当にショックでしたね。最初は正直『誰のために頑張っていると思っているのか』という気持ちになりました。しかし経営者の私が変わらないと、誰も付いて来てくれないと気づいたんです。そこで誰のために、何のためにこの仕事をやっているのかというのを、スタッフたちにきちんと説明するように心がけました。」

 

「その後、自分が頑張るのはもちろんですが、スタッフが成果を挙げられるような環境を整えようと考え方を変えました。」

 

自分ひとりで背負い込むのをやめたのだ。現在は社員の育成にも力を注いでいると教えてくれた。

 

 

 

④「2つの軸」を大切にコンサルティングを実施

 

藤垣会計事務所のスタッフは2023年現在で17名。新卒採用も行っている。数年前から、地元の商業高校の生徒を採用し始めた。これまでに採用した人は、辞めずに定着してくれているという。藤垣所長の人柄によるところも大きいだろう。

 

そんな藤垣会計事務所の強みについて伺ってみた。

 

「病院に内科や整形外科などいろいろな科があるように、税理士もいろいろです。相続専門だったり、M&Aに特化している事務所もあります。私たちは、従業員が5名から30名くらいの規模の企業をサポートすることに強みがある事務所なんです。」

 

現在は岐阜県、愛知県を中心に、中小企業をサポートしている。コロナ禍で企業のオンライン環境が整ってきたこともあり、最近は東京や神奈川など、関東の企業も増えてきたそうだ。

 

「中小企業のサポートに特化するようになったのは、やはり、父親の会社の一件が大きいですね。企業の経営者を幸せにするためには、会社そのものを良くする必要があると、そのときに感じたんです。」

 

具体的に、企業に対してどのようなサポートをしているのだろうか。

 

「企業理念やビジョン、大事にすべき価値観を一緒に作ったり、社員向けにチームビルディングの研修を実施したりしています。会社には2つの軸がある、私はそう考えています。財務だけが良かったとしても、経営者が幸せとは限りません。経営者の悩みの大半は、人間関係だと思います。なぜ社員が動かないのかとか、お客様との関係とか、そういったコミュニケーションに関する勉強会も実施しています。」

 

藤垣さんは税理士業務だけでなく、企業のコンサルティングも行っているのだ。どちらかに特化した人は多いが、両方できる人はなかなかいない。まさに「強みの掛け算」である。

 

「中小企業の経営者の方は、めちゃくちゃ忙しいんです。常に時間がどんどん過ぎていき、立ち止まって考える余裕がありません。なので、その時間を作ってあげること、そのものに価値があると考えています。やるべきことを明確にし、この日にこれをやるとタスクを決めてやっていくだけで、仕事はもっとうまく回るんです。」

 

 

 

⑤企業の未来を創る会計事務所

 

藤垣さんに、今後の展望を聞いてみた。

 

「今の事務所が手狭になってきたので、引越し先で良いところがあればと探しています。積極的に規模を拡大するつもりはないですが、仕事の結果として規模が拡大するのであれば、それはそれで良いと思っています。どんどん人を採用するつもりはないんですが、成長意欲があって、誠実な人と働きたいです。きちんと利益を出せて、豊かになっている会社を、一社ずつ増やしていきたいと考えています。」

 

藤垣会計事務所には、目標数値の中にお客様が税金をいくら国に納めているかというものがあるという。どちらかというと、税理士にお願いするのであればお客様が納税額をいくら節税できたかというイメージが強いのだが、どういうことだろうか。

 

「もちろん節税など、できることは全てやり切ります。ただ、結局会社を良くしようと思ったら、利益を上げなければいけません。税金をたくさん払っているということは、それだけたくさん利益が出ているということです。一番の社会貢献は納税だと私は考えています。納税額が10億、100億と増えていけば、それだけ地域社会はよくなります。今の税理士法では、2名以上税理士がいれば税理士法人をつくることができます。社員を少しずつ増やして、社内から税理士資格を持っている人を輩出したいです。社内で同じ想いをもったメンバーの中から税理士が生まれて、法人の形で一緒にお客様を支えられる形をつくっていこうというのが、私のビジョンのひとつとしてあります。自分が代わりに勉強することはできないので、環境を整えていきたいです。」

 

藤垣さんの座右の銘は「人生の目的が変われば人生の質が変わる」だ。

 

「最初は、ひたすら自分が売上を上げて、スタッフを食べさせていくことを目的にしていました。しかし、途中でスタッフへの感謝とか、誠実にやっていきたいとか、地域に貢献したいという目的に変わっていきました。その結果、スタッフへの関わり方が変わり、お客様への貢献度も上がり、家族も幸せにできるようになりました。自分が何のためにやっているのかを突き詰めて考え、一貫性を持って生きられるようになったら、周りにも良い影響を与えられて、人生の質も上がっていくはずです。」

 

現在、藤垣会計事務所の名刺には「藤垣『未来』会計事務所」という文字が刻まれている。そこには、税務申告のための過去会計をサポートするだけでなく、お客様と一緒に未来を創っていきたいという、願いが込められている。事業を通じて岐阜の未来、そして日本の未来に貢献したいと考える経営者の方は、ぜひ一度相談してみてはいかがだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

藤垣会計事務所

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