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岐阜市川端町にある「Studio Laugh+L(スタジオ ラフエル)」をご存じだろうか。
2018年7月にオープンした、約140年培ったノウハウをベースに新たなコンセプトを提案する総合スタジオだ。今回は、マネージャーの牧野 里奈(まきの りな)さんにお話をうかがった。
- 新たなイメージ確立に向けて
- 約140年のノウハウをベースに新たな空間を提供
- 充実のフォトメニュー
- もっと気軽に写真を撮りに来てもらいたい
①新たなイメージ確立に向けて
岐阜市で約140年の歴史を持つ老舗写真館・瀬古写真が、新たなプロジェクトとして立ち上げた総合スタジオ「Studio Laugh+L」。
はじめに、 Laugh+L立ち上げの経緯をうかがってみた。
「瀬古写真はフォーマルでクラシカルなイメージを持たれている方が多いと思うんですけど、そこから何か新しいイメージを持ってもらいたい、カジュアルでラフな写真が撮れる場所を提供したいという思いから、若い社員を中心にいろいろ案を出し合って、新たな挑戦という形でスタートしました。」
Laugh+Lという名前はどのように決まったのだろうか?
「Laugh+Lは、2つの意味を合わせた名前になっています。まず1つめが、どんどん笑顔が増えるというイメージで、笑うという意味の『Laugh(ラフ)』。2つめが、1階がホリゾントというアールがついた真っ白なスタジオになっているんですが、そのアールがローマ字のLに見えるというのが由来になります。LaughとLを合わせて『Laugh+L』です。」
Laugh+Lの立ち上げと名前の由来を話してくれた。確かに老舗の写真館には抵抗感を感じる人は少なくないだろう。
逆にLaugh+Lという名前は非常におしゃれでカジュアルさを感じる。非常に良いリブランディングが出来ているといえるのではないだろうか。ブランディングに店名が非常に重要だと再認識させられる程だ。
②約140年のノウハウをベースに新たな空間を提供
瀬古写真とは違う、新たなコンセプトでスタートした「Laugh+L」だが、具体的にどのようなスタジオを目指しているのだろうか?
「ただ写真を撮ってお渡しするだけの場所ではなく、撮影も含め、ここに来てから帰るまで『すべての時間と空間を楽しんでもらいたい』というコンセプトでやっています。写真館というと、昔ながらのちょっとお堅いイメージを持つ方も多いと思うので、フォトスタジオのような、誰でも気軽に撮りに来てもらえるような、普段の姿に近いより自然な雰囲気の中で撮影できる空間を目指しています。」
「比較的お子さんの撮影が多いんですけど、従来の撮影方法だと、背景紙の前に立って、カメラを見て笑ってもらうように誘導するみたいなのが多いと思うんです。弊社では、お子さんが自由に動き回ったり、おもちゃで遊びながら撮影できるので、もう少し自由度が増す・普段お家にいる時のような自然な笑顔を引き出すための空間作りをしています。」
牧野さんのお話を聞いていて非常に納得だった。「Laugh+L」には、お客様の自然な表情を引き出す撮影技術を身に着けたカメラマンと、その自然な表情に最適な空間が揃っていると感じる。
「たとえば、右手上げてって言ったら、みんな同じように右手を上げるだけになっちゃうので、できるだけ自然な動作のなかで、その子らしい動きだったり、表情だったり、その家族らしい瞬間みたいなものを見つけて撮影するという感じですね。チームのみんなで臨機応変に交代しながら、補い合いながら撮影しています。」
Laugh+Lの得意なことや強みを尋ねてみた。
「ブライダルとかは別ですけど、写真館やフォトスタジオで、ヘアメイクから着付けまですべてできる美容の先生がいるところって実は少ないんです。最近はスマホの機能も向上して、カメラアプリも増えて、誰でも簡単に高画質の写真が撮れたり、いろんな加工ができる時代になりましたけど、プロのヘアメイクや着付けで撮影できるっていうのは、やっぱりスタジオ撮影ならではだと思いますね。」
撮影するカメラマンだけでなく、メイクアップからヘアセット、着付けまですべてを担当する美容のプロがいるのも「Laugh+L」ならではの強みだという。
記念写真の撮影を検討される場合はLaugh+Lの強みが活かせるのだ。七五三や卒業式、成人式の記念撮影時にはぜひ頼ってみてほしい。
③充実のフォトメニュー
牧野さんのカメラマンとしてのキャリアは13年になるという。写真の道に進むきっかけとなった出来事からうかがった。
「カメラや写真との出会いは高校生の時です。写真部に入って、そこでカメラやネガの楽しさを知って、そのまま大学も芸術学部の写真学科に進んで、古典技法などを勉強していました。ネガの前の、本当にカメラができたときの、写真の歴史みたいなことですね。ずっとアナログなことを勉強していたので、今の仕事に活かせているかっていうのは正直分からないですけど(笑)。」
※ネガはネガフィルムの略称
そう話す牧野さんだが、流行の移り変わりや時代に合わせた新たな試みも忘れていない。
「前からペットやりたいねって話はしていて、やっと実現しました。やっぱり全然言うこと聞いてくれないので、お子様とはまた違う大変さがありますね。飼い主さんに手伝っていただきながら撮影していますら、意外とペットの写真を撮れるところがないみたいで、探してましたって言って来られる方も多いです。」
「ともフォトに関しては、特に年齢制限はないので、小さなお子様から大人まで、どなたでもご予約いただけます。普段お子様が多いので、大人の方が来てくれるとちょっと嬉しくなりますね(笑)。」
定番のブライダルフォトやマタニティーフォトに加え、「ペット」や「ともフォト」といったメニューも始めたという。
より気軽に撮ってもらいたい、たくさんの人に知ってもらいたいという情熱の表れなのだ。
④もっと気軽に写真を撮りに来てもらいたい
今年で7年目を迎える「Laugh+L」だ。現在抱えている課題についてうかがってみた。
※インタビューの2024年6月時点
「写真館やフォトスタジオで写真を撮るタイミングって、人生の節目だったり、イベントごとが多いと思うんです。お宮参りだったり、七五三だったり、成人式だったり。そういった節目の行事に限らず、もっと気軽に訪れていただくためには、どう伝えていけばいいんだろうというのは課題のひとつですね。」
まだ認知度が低いことが課題だと話す牧野さん。その課題解決に向けてどのような取り組みをしているのだろうか?
「撮影の際に掲載許可をいただいた方は、ほぼ全員Instagramに載せています。なにか特別なイベントごとでなくても、ちょっとした記念だったりとか、今までだったらわざわざ写真館に撮影に行くほどでもないような行事でも、気軽に来てもらえたら嬉しいですね。やっぱり、後から思い返して写真撮っておけばよかったなって思うこともあると思いますし。自分たちで撮ると、どうしても撮影する人は映らないというのもありますし。そこは私たちにお手伝いさせていただければと思いますね。」
普段はインスタグラムで発信しているという。どれも本当に素敵な写真ばかりだが、投稿されている写真はすべて、実際に Laugh+Lで撮影されたお客様の写真だという。
最後に、今後の展望についてたずねてみた。
「これからも地域に密着して、みなさんに愛されるフォトスタジオであり続けたいですね。あとはお子様だけでなく、年齢関係なく来ていただきたいです。ペットだったり、お友達同士のフォトメニューも新しく始めたので、大人の方へ向けた発信を、これからもっとしていきたいなと思っています。」
「まだ構想段階ではありますが、お子様はもちろん、老人ホームだったり、おじいちゃんやおばあちゃんたちに向けて、プレゼントという形で何かできたらいいねという話はしています。やっぱり、写真館やフォトスタジオで写真を撮るにはもちろん費用もかかりますし、写真にまわせるだけの時間やお金の余裕がある方ばかりではないので、地域貢献ではないですけど、そういった活動ができたらいいなと思っています。」
どのやりたいことも非常に素敵だ。贈り物としての写真も文化として根付くかもしれない。
ぜひ実現してほしい。
新たな挑戦としてスタートを切った「Studio Laugh+L」。
約140年で培われたノウハウをベースに、プロフェッショナルたちの確かな技術と、時代に合わせた新たな試みが功を奏し、現在も着実にファンを増やし続けている。
大切な家族の一員であるペットや、大切な友人との思い出づくりなど、なにか特別な理由はなくても、気軽に訪れてみてはいかがだろうか。