創業150年の老舗「湯葉勇」を訪ねてみた。

TOM
あ〜お腹減ったなあ・・・
SARA
そうだね・・・私たち冬眠してからもうしばらく栄養あるもの食べてないもんね・・・
TOM
なんか栄養があって、ほっこりする、白くて美味しいものないかなあ・・・例えば、「ゆ」から始まる食べ物で「ば」で終わる食べ物とかで・・・
SARA
・・・「湯葉」か。

長い歴史のある岐阜の老舗が揃う町、岐阜市本町。

そんな岐阜市本町に、創業150年続く《湯葉勇》さんがある。
数多くの岐阜の有名飲食店で使われる湯葉を作っている。

新しい店が年々数多く生まれる中、作り手のこだわりも深い老舗はお客様からの信頼が厚い。
新しい店に負けないための工夫もしながら進化し続けているからこそ、150年続くのだろう。

《湯葉勇》の今を守り続けているのは山田さん親子だ。

今回の登場人物は息子の6代目の山田知幸さん。
山田さんは明るく誰にでも慕われる存在で、笑顔が印象的な人だ。

そんな山田さんは老舗の後継として考える事はあるのだろうか。
人として、湯葉職人として、後継として話を聞いた。

 

 

今回のツムギポイント!
  1. 150年続く老舗の秘訣
  2. 6代目としての想い
  3. 人柄を作る好きなもの・好きなこと

150年続くこだわりの湯葉の味。

「やっぱりお客さんは基本的に日本料理店が多い。ちょっといいお店ばかり。」

山田さんは毎日約30店舗ぐらいの飲食店さんと市場に配達をしている。
高級な湯葉もあるため、やはりお客様はこだわったお食事を提供している飲食店さんが多いという。

 

湯葉勇さんの湯葉は、幅広く色んな湯葉があるのが特徴だ。

湯葉は大豆と水で変わるから、湯葉勇ではその年によって良い悪いがある為、毎年大豆を見直している。
年始には数種類の大豆から選別してその年に使用する大豆を決める。

シワがあったり黒ずんでいるものは駄目。
きれいな大豆で作ると混じり気がない湯葉ができるから。
大豆も湯葉もビジュアルが大切。湯葉勇では甘味がある大豆を使うようにしている。

長良川に近い店舗だからこそできること。
それは長良川服流水の井戸水の汲みたてを使うこと。

 

「豆乳に膜が張ってくるまでに時間がかかるから、湯葉が出来上がるには時間がかかる。
豆乳の濃度は薄めにつくる。煮詰めると泥々になる。手間は余分にかかるけど、それがこだわり。

 

湯葉勇の湯葉は商品によって膜のはる厚さを調節して、違いをだしている。
くみ上げ湯葉は1番薄い。さしみ湯葉は2番目に薄い。
この2つは似ているが、くみ上げ湯葉は豆乳に絡めながらくみ上げているところが特徴。
くみあげ湯葉は湯葉勇で1番人気の湯葉だ。

生棒湯葉。通常は巻湯葉と呼ばれている。湯葉勇では巻きをゆるくたくさん巻いてないため生棒湯葉と呼ぶ。
湯葉勇の特性がでている。長さも37センチあり他社より長く珍しいと言われている。

むすび湯葉はよくお吸い物に使われている湯葉の為、1番需要が多く、全国に出荷をしている。
注文が多いため湯葉勇だけでは生産しきれないぐらいになっている。
全国で使われているからこそ価格競争対象になりやすい。安さが勝負になってくる。

今は湯葉メーカーも増えてきているが、
面倒な作業と価格も上がられないため、新しくむすび湯葉を作るところはない。

 

「新しいメーカーは儲かるところにいくから。
だからこそ手間がかかっても湯葉勇では作り続ける。

 

 

湯葉勇のもうひとつの柱は特注湯葉だ。

湯葉の文化はそれぞれの地区で発展しているため呼び方も色々ある。
湯葉のすくい方から違う。

お客様の地域によって湯葉の好みがあるため
特注を作るときはご要望をしっかりお聞きして作る。特注の商品を作るのは山田さんの担当だ。
さらに湯葉勇では特注であっても1パックから受け付ける。

 

お客様の求める湯葉を作り続けたい

 

お客様が求めるものを提供し続ける、それは簡単なことではない。
湯葉勇の湯葉へのこだわりがあるからこそ、長くお付き合いが続くお客様が見えるのだろう。

 

6代目。後継者として。

 

老舗というのは、代替わりいわゆる後継がいるからこそ出来るものであり、続ける為の後継問題はどこの老舗でもあるものだろう。
父親が5代目で山田さんが6代目だが、父親が未だ現役で頑張っているため世代交代はしていない。

山田さんは大学卒業後は勉強の為、食品関係に就職。

 

「やっぱり自分のとこ以外で勉強したことはよかったと思う。とにかく学びがたくさんあった。人間関係だと上下関係とかお客さんへの接し方、営業の仕方。初歩的なことは全部学んだ。ガム食べながら営業行ったときは怒られました。笑」

 

食品関係にお勤め後、湯葉勇に入る。
湯葉の事は全て父親から学ぶ。

「父親とは仕事以外の話はしない。特に自分からはしないようにしてる。」

親子運営だと色々な壁があるが山田さんは父親と喧嘩をすることもなく、いい距離感を保ちつつ一緒に頑張っている。

 

「生まれたときから湯葉勇があって、物心ついたときには6代目と呼ばれていた。
跡継ぎをすることには全く抵抗はなかった。
でもそれは湯葉屋だったからかもしれない。特殊だしおもしろい。
豆乳に張った膜を買うって特殊でしかない。
未だに牛乳膜は買わないのに。笑」

山田さんは後継としての悩みはなかったようだ。

生まれた時から湯葉職人への道筋があるのは山田さんにとって当たり前であったが、そこで前向きにいく山田さんの気持ちは見習いたいものだ。
山田さんが語る湯葉勇の話からは、湯葉職人でいることへの誇りも感じた。

 

今は工場の老朽化を心配して建て替えを検討中。
工場と自宅が一緒になっている為、5代目と話し合ってはいるが簡単にはいかないという。
しかし先を見据えて建て替えには踏み入りたいところだ。

 

「今の工場を建てたころとは商品も違うから工場の効率は悪い。
建て替えたら新しい商品にも挑戦したいから効率も考えなくてはいけない。
だからこそ建て替えが必要だと思う。

 

150年続く店の6代目として、山田さんは湯葉と向き合い続けている。
後継としての仕事のカタチ。
山田さんは既に見つけているのだ。

 

食べることがすき、人がすき、岐阜がすき

 

食べることが好きで、SNSでも飲食店口コミ投稿のグループでも定期的に投稿している山田さん。

「友達の投稿とか見ておもしろいところに行く。
チェーン店で良いところもあるけどせっかく食べるならおいしいものを食べたいって思う。
でも昔からじゃなくて、ここ数年今の感じになってきて、時間があったら行くようになって。
今となっては美味しいものを探して食べに行くことが趣味。」

 

そんな山田さんの口コミへの信頼度も高い。
湯葉職人だから、食が好きというわけではないらしいが
やはり食に関する仕事に関わっている事は大きいだろう。

食べ物のこだわりから山田さんが開催するBBQは大人気だ。
BBQをするときは山田さんに任せたら大丈夫」と言われるほどに定評がある。

 

山田さんは交友関係も広い。

「今関わってる人は大人になってからの友達ばかり。
大体はイベントに関わることで出会った友達が多い。だから年齢層が広い。」

 

山田さんが関わってきたイベントは地域活性化のものが多い。
まちのみんなで頑張って、まちをすきになってもらう。
そんな趣旨を掲げるイベントの主催に積極的に参加している。
まちとコミュニティを結び続けているのだろう。

 

「主催側に声かけてもらえたらうれしいし、誰かが頑張っててそれをサポートする。それがすき。基本的にひとがすき。

 

地域活性化といえど様々あるが
イベントの大小ではなく
山田さんが関わるのは、友人が関わっているからに尽きる。

表立ってリーダーとかやるのがすきではない。
関わって輪が広がることがすごくすき。
それで喜ぶひとがいたりしたら、更にやりがいを感じる。

 

老舗で後継として、岐阜で生きてきたからこその想いもあるだろう。

 

岐阜で生まれて、岐阜で育ち、岐阜を愛している。
だからこそ岐阜の力になりたい。地域の輪を大切にしたい。
そんな気持ちで山田さんは人や地域に関わり続けている。

 

山田さんだからこそ頼られて、慕われる。
一緒にやりたいと声をかけたくなってしまう。
会うとこちらも笑顔になる。
そんな笑顔の持ち主だ。

 

これからも大切な仲間のチャレンジに山田さんはサポート役として関わっていく。
それは山田さんのスタイルとして変わらない。

 

地域のコミュニティがなくなってきている今、岐阜でそれをなくならせない動きは必要不可欠になる。
山田さんという前向きに関わっている人が、町のコミュニティを大切に築いていくことが今後の岐阜の未来のヒントになるのだろう。

 

岐阜が大好き。岐阜をでるのがすきじゃない。これからも岐阜にいたいって思う。

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